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「死ぬ都市」「死なない都市」

都市論の権威、サスキア・サッセン氏に聞く

  • 水野 博泰

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2010年9月15日(水)

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 都市とは何かというテーマに、政治、経済、社会、グローバル化の視点から取り組み続けてきた都市社会学の世界的権威に、都市の「生と死」を分けるものについて聞いた。

(聞き手は、ニューヨーク支局 水野 博泰)

サスキア・サッセン氏
米コロンビア大学教授(社会学)
1949年、オランダ生まれ。幼少期をアルゼンチンで過ごす。フランス、イタリア、アルゼンチンの大学で哲学や政治学を学んだ後、米インディアナ州ノートルダム大学で社会学・経済学を学び、修士・博士号を取得。コロンビア大学教授、シカゴ大学教授などを経て現職。「都市社会学」の先駆者で、91年に著した『グローバル・シティ』(筑摩書房)は約20言語に翻訳されて注目を集めた。「グローバル・シティ」はサッセン氏の造語 (写真:常盤 武彦)

 ── スマートシティの建設が世界各地で進んでいますが、そうした動きをどう見ていますか?

 サスキア・サッセン 2つの要素に分解して眺める必要があります。

 1つは、全く新しい都市をゼロからつくる試みとしての見方です。米シスコ・システムズや米大手不動産投資・開発企業のゲール・インターナショナルが韓国で取り組んでいるプロジェクトはその例です。

 机上で設計した都市を実際の現場でそっくりそのまま再現することができるのです。最先端の技術、第一級の建築家による、最高の作品を作り上げるわけです。

 中国やインドでは、これから何百もの新しい都市を建設する必要があるのですから、そのうちのいくつかをスマートシティにするというのは悪くないでしょう。ただし、中国やインドの知的なリーダーたちはこう言うでしょう。

 「スマートシティもいいが、我々にはとにかく多くの都市が必要なのだ。中間層の労働者世帯を受け入れる場所を着々と淡々とつくっていかなければ追いつかない。豪勢で高価なスマートシティばかりつくってはいられない」

 多くの新興国が新しい都市をつくる際に、スマートシティはすべてではないにしろ、選択肢の1つになるということは間違いありません。

「シティネス」をスマートシティに入れられるか

 ── もう1つの要素は?

 サッセン スマートシティを見る際のもう1つの切り口は、既存の古い都市にスマートシティの機能を選択的に取り入れることができるのではないかということです。これは様々な所で、様々な形で起こっていくと思います。

 超最先端の金融センターを東京につくろうという時、東京を丸ごと全部変える必要はありませんよね。ある特定の地域、あるいは複数の地域にスマートシティで採用されているような設備や機能を取り入れていけばいい。スマートシティの美味しいところだけ“つまみ食い”すればいいのです。

 実は、スマートシティとはいったい何なのかということについては都市論や社会学の専門家の間でも議論が続いていて、これだという明確な合意には、至っていないのです。例えば、全く新しい都市を何もない所からつくっても「シティネス」はなかなか生まれない。シティネスというのは、都市の個性というか、生き物の「魂」のようなものを指して私が使っている言葉です。

 ピカピカのビルは建てられるし、効率的な交通システムや最先端の通信システム、快適な住居やオフィスをまとめて配置することはできますよ。でも、問題はほかの場所に同じようにつくった別の都市と何か違いが生まれてくるのかどうかなんです。

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