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白内障手術の黒子役

コーナン・メディカル(兵庫県西宮市、医療・産業機器の開発、販売)

2010年9月22日(水)

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角膜の内皮細胞を撮影する装置で、世界シェア3~4割を握る。ファブレス体制を早期に構築して開発に専念してきた。社員数を「教室サイズ」の40~50人に抑えて、規模より独創性にこだわり続ける。

 ヒトの黒目部分は、正式には角膜と呼ばれる。最も内側には内皮細胞と呼ばれる組織が並んでいる。視力の低下や、目のかすみを引き起こす白内障の手術では、6角形をしている内皮細胞の数や形状に変化が起きる。変化の具合を探るため、白内障手術では手術の前後に角膜内皮細胞を撮影する。 角膜の厚さは 0.5mm。内皮細胞は無色透明であることから、斜めから光を当ててようやく撮影できる。その撮影装置で世界シェアの3~4割を握るとされ、40カ国以上へ輸出実績を持つのが、兵庫県西宮市に本拠を置くコーナン・メディカルだ。

米FDAが標準に認定

 同社は、単純に撮影するだけでなく内皮細胞の数や大小、正常な状態である6角形の出現率などを、瞬時に分析できる自動解析機能を世界で初めて装置につけた。また患者への負担や衛生面に配慮して、角膜に触れずに内皮細胞を撮影できるようにいち早く対応した。

 1990年代後半には、米食品医薬品局(FDA)がコーナンの角膜形状解析技術を標準として認めた。米国では、同社の解析ソフトウエアとの互換性が標準になっている。その後も解析時間を短縮し、またベテランの医師でなくても操作できるように操作性を改善するなど工夫を続けてきた。こうした点が顧客から評価され、高いシェアにつながっている。

 同社の特許出願件数は約1600。その数字が示すように、コーナンは開発型ベンチャーを志向してきた。過去の発明品には、フィルムに日付が印字できる機能や、使い捨てカメラの原型などがあると池上哲治社長は言う。

 2010年12月期の売上高は9億8000万円、同経常利益は3100万円を見込む。売上高は前期比15%増と大きく伸びるものの、利益はわずかに前年を割り込んでしまいそうだ。この2年はリーマンショックのあおりを受けたうえに「今年は円高の影響もあった」と池上社長は悔しそうに語る。コーナンの海外売上高比率は約3割。海外での販売実績にこだわってきただけに、円高の逆風は人一倍感じている。

 同社が角膜内皮細胞の撮影装置を開発したのは1979年。英ロンドン大学が、大手メーカーから紹介を受けて、コーナンに装置の製作を依頼したのがきっかけだ。技術的に難しいうえに大きな需要が見込まれず大企業は尻込みしたため、好機が巡ってきた。

自ら欧米の学会へ出かけて医師から最新情報を収集するという池上哲治社長(写真:福島正造)

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「白内障手術の黒子役」の著者

上木 貴博

上木 貴博(うえき・たかひろ)

日経ビジネス記者

2002年に筑波大学を卒業し、日経BP入社。「日経ビジネス」「日経情報ストラテジー」「日経マネー」編集部などを経て、2016年4月から現職。製造業を中心に取材中。趣味は献血(通算185回)。相撲二段。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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