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大切なのは「結果の平等」。だって人生は不平等だから。

『経済は損得で理解しろ!』の、飯田泰之・駒沢大学准教授に聞く(前)

  • 芹沢 一也

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2010年9月28日(火)

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―― とかくイメージがつかみにくい経済学の世界で、『経済は損得で理解しろ!』という、異色かつ異例に読みやすい入門書を出されたのが飯田泰之さん。本サイトでは「経済学っぽく行こう!」ですでにおなじみですが、今回は改めて飯田さんに「マクロ経済学」の考え方を、教えていただこうと思います。

飯田 マクロ経済学では、一国の経済成長と景気循環を研究します。

長期的なGDP(Gross Domestic Product、国内総生産≒在住者の所得の合計)のトレンドは、人間の数、機械の数、そして機械や働く人間の質と組み合わせ技能といった技術、この3つから決まります。つまり労働力、資本、技術ですね。これら3つの要素から、長期的なGDP水準を考えるのが経済成長理論です。

 一方で景気循環の理論ですが、いまある労働力や資本、機械設備、これらはいつもフル活用されているとはかぎりません。実力を発揮していれば景気はよいのですが、活用しきれないと不況になってしまいます。また、バブルのような超好景気というのは、無理をして過剰に使っている状態ですね。

メディアで語られる「景気」は経済学上のものとは異なる

―― メディアで報じられる「景気」とは違うようですね?

飯田 その通りです。景気を語るときに気をつけないといけないのは、景気という言葉の定義です。労働力と資本を無理なく、無駄なく活用するラインの上か下かで、好景気、不景気を判断する考え方。これが経済学的な意味での好況、不況です。

 ところが、困ったことに日本の場合、内閣府が発表しているのは景気の「拡大」と「縮小」だけなんです。つまり、たんにグラフが上に向かっているか、下に向かっているか。

 ここを混同してはいけない。典型的な誤解の例としては、2000年代半ばの「いざなぎ超え」といわれた景気拡大。よく「あんなに景気がよかったのに、生活はよくならなかったじゃないか」という人がいますね。

飯田 泰之(写真・大槻純一)

あれは好不況ラインの下で、景気の拡大がつづいただけ。みんな「実感無き景気回復」なんていっていましたが、その直感の通り、好景気ではなかったのですから、実感が無くて当然です。しっかりと実力を発揮できていたという意味での「好況」と呼べる期間は、きわめて短かかったというのが実際でした。

 経済学的に好況だったなといえるのは、2005年からの1年弱ぐらいですかね。2006年あたりは都内では牛丼屋の深夜時給が1400円になりましたから(笑)。

 繰り返しますが、レベルとしての景気と、方向としての景気というのは、混同したらいけません。もちろん、ずっと拡大していればいつか好況にはなる、ずっと縮小していれば不況にはなるんですが、拡大しているからイコール好況ではないということです。

―― 普通の人が好不況を判断するのに、何かよい目安はありますか?

コメント10件コメント/レビュー

「機会の均等とは、同じ能力を持つ人が同じチャンスが与えられることを指しします。」これこそが詭弁です。そもそも同じ能力を持つ人など一人もいないのですし、貧しければ進学を諦めざるを得なかったりして学習意欲も失われてしまいますし、現在でも有名大学を卒業した優秀な若者であっても不況ゆえになかなか職に就けないという状況がある。だからこそ、景気を良くし人的資源が有効活用されるようにしようというのは全くもって経済学的に真っ当な考え方なのです。ところが世の中には、助け合うことで社会全体の効用を高めよう、経済厚生を良くしようという考え方を嫌う人が少なからずいる。甘えるな、弱い奴には金を使うななどなんとも非情、誰だって明日交通事故に遭って全身の自由が利かなくなり「役立たず」になってしまう可能性を抱えているのに。幸運不運に左右されるのは誰も同じこと。社会的弱者、経済的弱者だって望んで弱者になったわけではない。(2010/09/29)

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「機会の均等とは、同じ能力を持つ人が同じチャンスが与えられることを指しします。」これこそが詭弁です。そもそも同じ能力を持つ人など一人もいないのですし、貧しければ進学を諦めざるを得なかったりして学習意欲も失われてしまいますし、現在でも有名大学を卒業した優秀な若者であっても不況ゆえになかなか職に就けないという状況がある。だからこそ、景気を良くし人的資源が有効活用されるようにしようというのは全くもって経済学的に真っ当な考え方なのです。ところが世の中には、助け合うことで社会全体の効用を高めよう、経済厚生を良くしようという考え方を嫌う人が少なからずいる。甘えるな、弱い奴には金を使うななどなんとも非情、誰だって明日交通事故に遭って全身の自由が利かなくなり「役立たず」になってしまう可能性を抱えているのに。幸運不運に左右されるのは誰も同じこと。社会的弱者、経済的弱者だって望んで弱者になったわけではない。(2010/09/29)

結果の平等とのタイトルに騙されてしまいましたが、ある程度の所得再配分(所得税制改革?)が必要で、出生による格差に対する保険との解釈には感服しました。しかし、何が具体的に効果のある所得再配分政策メニューとなるのでしょうか?(2010/09/29)

[こうした意味において、ぼくは再分配政策というのは、「出生や幼少期におけるいかんともしがたい偶然」というのに対する後払い保険なんだと考えています。]大変に正しい現状認識です。(2010/09/29)

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