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日印FTA、空洞化への号砲

  • 瀧本 大輔,加藤 修平

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2010年9月27日(月)

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日本とインドのEPA(経済連携協定)が政府間で大筋合意に達した。自動車部品の輸出に追い風だが、後発医薬品の攻勢は強まる。その先には「世界の工場」として存在感を増すインドの姿が見え隠れする。

 「インド車」が世界を席巻する日は近いのか。

 日本とインドは関税を段階的に撤廃するFTA(自由貿易協定)を柱としたEPA(経済連携協定)を締結することで大筋合意した。日本からインドへの輸出の約90%、インドから日本への輸出では約97%に相当する物品で、10年以内に関税がゼロになる。インドのシン首相が10月下旬にも来日し、政府間で正式に合意する見通しだ。

 このEPAの実現は日本の自動車業界が強く要望していた。今回のEPAでは完成車こそ対象から外れたが、自動車部品の関税はゼロになるからだ。

 「インドとのEPAの1日も早い締結を期待している」。スズキの鈴木修会長兼社長は8月26日、新型車「スイフト」の発表会でこう語った。

 スズキは部品の現地調達率が高く、日本から輸出しているのはセンサーなどの電装部品やエンジン部品の一部のみ。自動車1台の原価のうち日本からの輸出品が占めるのは5~10%程度だ。だが、安価な小型車では、小さなコスト削減の積み重ねこそが競争力の源。部品の関税ゼロは追い風となる。

1日でも早く韓国を追う

 鈴木社長が「1日も早く」と強調したのは、インド市場の動向と、韓国とインドのEPAが念頭にあったからだろう。韓国とインドのEPAは、日本に先駆け今年1月に発効した。日印のEPAがこれから正式な合意と国会承認を経ることを考えれば、発効は早くても2011年。しかもインドと韓国との関税撤廃期限が8年なのに対し、日本との期限は10年。日本がEPAの果実をすべて得るのは、韓国より3年は遅れる。

 そしてインドの乗用車市場で約45%の圧倒的なシェアを占めるスズキの強力なライバルは、韓国の現代自動車だ。2009年度のシェアが16%で2位の現代は、スズキ追撃の機会を虎視眈々とうかがう。

 市場構造もスズキに関税撤廃を熱望させた。インド市場は年間販売台数が195万台であるのに対し、全長4.0m以下の小型車が約130万台に達する。スズキが開拓してきただけに、現時点では市場のほとんどが、安価な小型車なのだ。

 だからこそ、スズキに限らず部品に7.5~10%の関税がかかるのは痛い。しかも、ライバルはEPAで先行する韓国のメーカーだ。日本自動車工業会の志賀俊之会長(日産自動車最高執行責任者)も、9月16日の記者会見で「競争の土台が違う」と強調し、日本とインドのEPAに強い期待を示した。

 このEPAの影響はインド市場での競争にとどまらない。次に訪れるのは、世界市場における「インド車」と「日本車」の競争だ。

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