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「カネで辞めてもらう」制度が、日本と若者を浮上させる

『経済は損得で理解しろ!』の、飯田泰之・駒沢大学准教授に聞く(後)

  • 芹沢 一也

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2010年10月4日(月)

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(前回「大切なのは『結果の平等』。だって人生は不平等だから。」から読む)

―― 前回の「大切なのは『結果の平等』」は、大変話題を呼びました。引き続き、大胆かつクリアなお話をよろしくお願い致します。さて、先のお話は、「経済成長は労働力、資本、技術で決まる」と総括したうえで、論争のための議論を止めて、打てる手はすべて打つべき、という〆でした。

 短期のお話は前回していただいたので、今回は中長期にの視点でお願いします。この三要素のどこから手を打つべきでしょうか。また、その理由もお聞かせ下さい。

飯田 長期的な経済成長を高める方法には、人口が増える、資本が増える、技術が上がる……この3つしかありません。ご存じの通り人口は減っているのですが。これは10年や20年でどうにかなる問題ではないですから、まずはこの際おいておきましょう。

 では、資本はどうでしょう? ちなみに、経済学者が「資本」と言ったときは会計上の資本ではなく、生産設備のことだと思ってください。かつては国内の貯蓄が、国内の金融機関や証券市場を通じ、国内の企業に融資され、国内の資本となって経済成長するという経路が重視されてきました。しかし、現在は日本人の貯蓄が必ず日本国内に投資されるとはかぎりません。

――グローバリゼーションですね。ということは、資本が伸びるのも難しいということでしょうか。

飯田 そうではないです。日本国内が投資先として魅力的ならばよい。さらには資本の国際化によって、海外からの直接投資を受け入れることもできるのですからむしろチャンスが多くなる、と言っても良いでしょう。ただし「投資先として魅力的ならば」ですが。

 この、投資先としての魅力を高めてくれるのが「技術」です。技術というと、発明とか特許というイメージをもつ人が多いですが、そうではなくて、人どうしの組み合わせや、機械と人の配置、こういったことまで含めての「効率」といった方がよいかも知れません。

―― 適材適所の人・機械の配置などによって、効率が上昇することも「技術」なのですね。

「適材適所」も「技術」のうち。そして、日本の弱点もここ

飯田 そう。そして、この適材適所が日本ではうまくいっていない。

飯田 泰之・駒沢大学准教授(写真・大槻 純一、以下同)

 特に日本では労働の問題が大きいでしょうね。なかでも最大の問題は、企業間で人が動かないことです。たとえば、一流大学を出て一流企業に入っても、その会社が自分に合わないことはありますよね。そんなところで仕事をするのはキツい。できればやめたい。

 でも、ほとんどの人はそこで立ち止まることになる。女房もいるし、子供もいるし、移ると大幅に生涯所得が下がってしまう。となると、「まったく合ってない」と、自分も会社も思っているのに、その会社に居つづけてしまう。

―― なぜかといえば。

飯田 日本の労働環境の問題を集約すると、「運よく正社員になった人が、生産性よりも高い給料をもらっていて、そのしわよせとして採用抑制や非正規社員の不遇を生んでいる」となるでしょう。ところが、正社員限定ではありますが、いったん企業に入社した人は強力に保護されていて、クビを切ったり、急激な待遇の低下もできない。

 生活を守るんだからいいじゃないか、と思うかも知れません。しかし、少なくとも経営側から見て「これはまずい」という人を解雇することはできないといけないでしょう。

 そしてその改善には、金銭解雇のルールがわかりやすい。

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