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米軍が認めた骨伝導技術

テムコジャパン(東京都杉並区、通信機器の開発・製造)

  • 神農 将史

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2010年10月8日(金)

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頭蓋骨を振動させて音を伝える通信機を開発、米軍や自衛隊が使用する。軍や警察向けなどで培った技術力は、携帯電話にも採用されてヒットした。常識に縛られない「素人」技術者のアイデアが実用化への活路を拓いた。

 扱っているのは、米軍や自衛隊、そして米連邦捜査局(FBI)など米国をはじめ世界各国の警察や消防に使われている製品。そう聞くと、さぞいかつい製品なのだろう想像してしまう。東京都の杉並区にある本社も駅近くの目抜き通りにあるものの、どこかよそよそしい雰囲気を醸し出している。

 だがテムコジャパンの扱っている製品はしゃべりに使うマイクや、音を聞くためのヘッドセットと、極めて見慣れたものだ。ただ通常の商品と違うのはヘッドセットに「骨伝導」の技術を取り入れていること。骨伝導は、頭蓋骨を振動させて音を聴覚神経に直接届ける技術だ。

売上高の7割が米モトローラ

 テムコは、売上高こそ約10億円の規模だが、上海に生産拠点を持ち、海外売上高比率は9割に達するグローバル企業。その理由は、売上高の7割を世界的な無線通信機メーカーである米モトローラから稼ぐためだ。日本の中小企業であるテムコの製品を、モトローラにOEM(相手先ブランドによる生産)供給することで、米軍や世界の警察・消防などに広く販売している。

 主要市場が米国のため日本ではテムコの名前はあまり浸透していないが、国内でもヒット商品を生んできた。最も有名なのは、2003年末にツーカー(現 KDDI)が発売した携帯電話「TS41」だ。三洋電機製のTS41は、世界で初めて骨伝導スピーカーを採用した機種として大々的に発表された。

 駅のホームのような騒がしい場所でもはっきりと聞き取れる点を売りにした。目新しい技術だったことも消費者の関心を集め、累計30万台以上を売った。

 そのほかにも、独自に補聴器「きくちゃん」を開発。骨伝導では鼓膜の振動を必要としないため、障害が鼓膜だけの場合は、きくちゃんを着けるだけで周囲の音を聞けるようになるという。現在は、大手メガネメーカーと組んで、サングラスに骨伝導式のスピーカーとマイクを一体化させた商品を開発している。

武田猛社長の後ろには世界中で取得した特許状が並ぶ(写真:的野弘路)

 こうした商品の開発を支えているのが、社員のほとんどを占める技術者だ。その成果は、テムコの本社に並ぶ特許状の列になって表れている。特許はすべて骨伝導に関するもので、50件以上ある。欧米も含めて必要な特許を押さえたうえで、製品化につなげるのがテムコのやり方だ。テムコがモトローラのような大企業と渡り合えるのは、しっかりとした特許戦略があるからだ。

 テムコは、基本的に骨伝導の技術を部品としてではなく、ヘッドセットなど最終製品の形にして提供する。「実際に使われる製品までに仕上げないと、自分たちの製品として自信を持って売れない」。テムコの武田猛社長はこだわる。

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