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「金正恩」氏は三男の「ジョンウン」氏なのか?

大将は下っ端、前途は多難

  • 重村 智計

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2010年10月5日(火)

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 北朝鮮は、後継者とされる金ジョンウン氏の名前を初めて公表し、表記は「金正恩」と明らかにした。しかし、映像に現れた金正恩氏について、26歳の三男にしては老けている、との指摘が一部で出ている。また、金正恩氏は後継者として認められたが、労働党の指導的な役職には就任できなかった。北朝鮮の後継体制の前途は、なお多難だ。

深夜のサプライズは米国向けパフォーマンスか、人事争いか

 なぜ午前1時に金正恩氏は「初登場」したのか

 北朝鮮は、9月28日に労働党の代表者会を開催した。労働党は、いわゆる共産党である。中国や旧ソ連のような、「共産党」の名称を避け「労働党」の名称を使っている。

 この日の午前1時に、北朝鮮は「金正恩氏ら6人が軍の大将に就任した」と発表した。日本や韓国の報道機関にとっては、サプライズであった。新聞は締め切りギリギリで、テレビのニュースは終わっていた。なぜ、こんな時間に発表したのか。

 午前1時の発表は、米国を意識した時間とみられた。北朝鮮国内では、この発表を誰も知らなかった。米国東部のワシントンは、ちょうど正午であった。米国のメディアに報道させ、米国政府の関心を引きつけたいと考えたのか。米朝対話を期待する意向を示したのだろう、との解釈が生まれた。

 その一方で、最後まで人事をめぐる対立が続き、深夜に発表することで、反対派を押さえつけたとの観測も出た。

 北朝鮮が、金正恩氏の名前を明らかにしたのは、この日が初めてであった。日本や韓国では、金正恩氏の名前は広く報道されているが、北朝鮮ではまったく報道されていなかった。

大将は「下っ端」、政治局常務委員や書記には任じられず

 北朝鮮軍の「大将」は、必ずしも最高の役職ではない。大将の上に次師、元帥(金正日総書記)、大元帥(故金日成主席)の役職がある。大将は、26人も居る。後継者の役職としては、「下っ端」である。それでも、金正恩氏が後継者の扱いを受けているのは、間違いない。公表された記念写真で、5番目の順位の序列が確認された。

 金正恩氏は、翌29日には党中央委の軍事委副委員長に就任した。この発表も、午前4時(米国東部時間午後3時)に行われた。米国の夕方のニュース時間を計算したのか。あるいは人事抗争の果てに、反対派の動きを押さえるために深夜になったのか。人事抗争説の方に、説得力があるようだ。

 この時点では、金正恩氏はさらに政治局常務委員や書記などの党の枢要な職責を担うと、みられた。後継者が座るべきポストだからだ。ところが、そうはならなかった。長老グループが、党の要職を占めた。

2つの金正恩写真の謎

錦繍山宮殿の前で撮影した記念写真。最前列のいちばん右が金正日総書記。向かって左2人目の席に、黒っぽい人民服を着た若者の姿が確認された(写真:AP/アフロ)
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代表者会の風景。ひな壇の最前列、右から2番目の席に、それらしい姿が映し出された(写真:AP/アフロ)
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 朝鮮中央テレビは、30日に代表者会の動画を放映した。さらに、朝鮮中央通信は金日成主席の遺体を安置する錦繍山宮殿の前で撮影した幹部たちの記念写真も公表した。この中に、金正恩氏の姿が映っていた。

 記念写真では、最前列の金正日総書記に向かって左2人目の席に、黒っぽい人民服を着た若者の姿が確認された。

 さらに動画では、代表者会のひな壇の最前列、右から2番目の席に、それらしい姿が映し出された。もちろん、北朝鮮のメディアはこの人物が金正恩氏であるとは報じなかった。金正日総書記の三男とも報じなかった。ただ、日本のメディアや専門家は、他の人とは異なる人民服を着て最前列に座っていたことから、金正恩氏と推測したわけだ。

 写真に映った金正恩氏とみられる人物の姿に、在日朝鮮人の多くが衝撃を受け、また感激した。この人物の姿や顔立ちが、故金日成主席と大変よく似ていたからだ。

 しかし、この感激はしばらくして、何かしっくりしない感情に変わった。実は、三男の「金正恩」氏について、これまで「金日成主席にそっくりの人物」という証言がなかったからだ。金正日総書記の料理人であった日本人も、「金正恩氏は金日成主席に瓜二つである」とは話していなかった。もし、金日成主席とそっくりであるなら、北朝鮮の当局者や関係者からそうした話しを聞いていたはずだ。だが、そうした発言や記述はなかった。

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