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うん、は家でお母さんに言いなさい

就職セミナーに行くよりも、高級クラブで働いたほうがいい学生の例

2010年10月8日(金)

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 就職セミナーに行っていますが就職できません。いいアドバイスを。(20代女性)

 遙から

 学生たち対象の就職セミナーというのをよくニュースで見る。面接時の話し方、表情、自己紹介の仕方など、懸命にレッスンする光景を見ながら、「そんな付け焼き刃で自分作りが可能だろうか」と疑念を抱いてきた。その人らしさのまま面接官の前で勝負できないものだろうか、と。

 ある日、そんな私が面接官らしき立場を担わされることになった。

 大学時代の先生からの依頼で、「優秀な女子学生なので、どこかに就職口がないかまずは君が面接をしてやってほしい。もう四回生なのでいい所があれば推薦してもらえないか」と。

 先生自身も同伴するということなので、久しぶりにお目にかかる機会でもあり、せっかくだからランチをしながらの面接をすることになった。

 その食事の席でのこと。

 私は先生に酒を勧めた。すると先生は生徒にも聞いた。

「君も酒を飲むか?」

 すると生徒は言った。

「うん」

 …う…うん? 私は驚いた。今がなんの席か分かっているのか。ここにいるすべての大人が酒を飲んでも、面接される学生なら、というか、私がその立場なら酒は遠慮していただろう。

 その学生は続けて言った。

「でも、飲んだらまた前みたいになっちゃうかも」

 そして上目づかいに先生を見て妖艶に微笑んだ。

 私はその様子を口をあんぐり空けながら眺めた。そして心の中でつぶやいた。

「なっちゃうかも、か…」

 私の大学時代にはなかった先生と生徒の面接時のコミュニケーションモードだった。

 かわいげに告白したが、つまりは、面接時で開口一番、酒にだらしないことを吐露したことになっている事実に、女子学生は気づいていない。

 日本酒が運ばれた。

 私は先生以外にはあえて注がず、様子を見た。学生はじっと誰かに酒を注がれるのを待っていた。やがて、先生が学生に酒を注いだ。

 学生は終始、注がれる側だった。

 終盤、私も注ごうとしてみた。するとすっかり飲んだ後の学生は遠慮する言葉を私に言った。

「いいです」

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「うん、は家でお母さんに言いなさい」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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三品 和広 神戸大学教授