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実用化段階に入る超電導の「車と船」

大トルクが魅力、動力装置の小型化と省エネが一気に進む

2010年10月8日(金)

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 前回は、住友電気工業が20年以上かけて開発した高温超電導線を使った高温超電導ケーブルと、「高温超電導ケーブル実証プロジェクト」を紹介した。今回は、同じ高温超電導線の応用例として、高温超電導EV(電気自動車)と高温超電導船を紹介する。

住友電気工業が世界で初めて試作した高温超電導EV。2008年6月19日に開催された「北海道洞爺湖サミット記念 環境総合展2008」で一般公開された

 「いくら高温超電導線を作っても、実際に身近なところでどういったことに役立つのか示せないと、中々世間一般には理解してもらえない。そう考え試作したのが高温超電導EV(電気自動車)だ」。

 こう話すのは、20年以上の歳月をかけて高温超電導ケーブルを開発した住友電気工業の材料技術研究開発本部・超電導担当技術長の佐藤謙一氏である。佐藤氏が、高温超電導線の1つの応用例として2007年に試作したのが高温超電導モーターを搭載した高温超電導EVだった。

路線バスや小型トラックに向く

 高温超電導モーターはトルク(回転力)が大きく、EVの電気モーターとして使えば、急発進や加速の際に威力を発揮する。

 例えば、高速道路などである一定の速度で走行している場合にはあまり大きなトルクは必要ない。しかし、発進や停止を頻繁に行う場合、トルクが大きい方が断然良い。そのため、佐藤氏は、高温超電導EVを、乗用車よりも路線バスや荷物を集配する小型トラックに向くと考えている。

(出所:IHI)
画像のクリックで拡大表示

■高温超電導モーターの構造

 高温超電導線を巻いた鉄心を複数置いて円柱型の容器の中に固定し、その中を液体窒素で満たす。両側に回転部を設置。中央の鉄心に交流電流を流すと電磁石のS極とN極が高速に入れ替わるため、永久磁石のS極、N極との間で反発する力が起き、回転部が高速に回転する。

 高温超電導線は電気抵抗がほとんどないので、大きな電流を、損失なく流すことができる。また、電流密度が高いため、現在、電力ケーブルに使われている銅線の200分の1の太さで、同じ量の電気を流せる。つまり、高温超電導線を電気モーターの巻き線として使えば、大きなトルクを連続的に得ることができる。その結果として、電気モーターの大幅な小型・軽量化、省電力化が図れるというわけだ。

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「実用化段階に入る超電導の「車と船」」の著者

山田 久美

山田 久美(やまだ・くみ)

科学技術ジャーナリスト

早稲田大学教育学部数学科出身。都市銀行システム開発部を経て現職。2005年3月、東京理科大学大学院修了(技術経営修士)。サイエンス&テクノロジー、技術経営関連の記事を中心に執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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