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下請けから「異端児」へ

アムコン(横浜市、下水汚泥処理機の開発製造)

  • 飯山 辰之介

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2010年10月15日(金)

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下水汚泥を効率処理する脱水機を開発、大手支配の市場に風穴を開ける。国内167カ所の下水処理場のほかに、39カ国・地域にも納入実績を持つ。創業者のイノベーションを、後継者が世界に売り込む。

佐々木昌一社長とヴァルート脱水機。この1台が世界の汚水処理を変える(写真:都築雅人)
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 本社ビルの中には、ガラス張りの吹き抜けがそびえ立ち、透明な筒が建屋を貫いているようだ。吹き抜けの周囲には螺旋階段が取り巻いている。

 この建屋は、アムコンの主力商品である下水処理機器を模して建設された。機器の名は「ヴァルート脱水機」。下水を浄化する過程で出る汚泥処理の手間を省き、コストダウンにも貢献する。関係者からの高い評価を得て、これまでに全国の下水処理場の約10%、167カ所に導入された。

 民間工場や大型商業施設の汚水処理施設でも活躍する。例えば東京・丸の内のシンボル、丸の内ビルディングや六本木の東京ミッドタウンといった商業ビルの地下では、ヴァルート脱水機が日々、稼働しているという。

 納入先は国内にとどまらない。アジアから欧州、北米、アフリカまで39カ国・地域に納入実績を持ち、世界の汚水処理に貢献しているのだ。

脱水機は詰まる、の常識を覆す

 下水処理では汚泥を底にためて、上澄みのきれいな水を得るのが一般的だ。とはいえ、沈殿した汚泥にはまだ水分がたっぷりと含まれている。それを水気のない固まりになるまで脱水するのが、汚泥処理機の役割だ。

 従来は汚泥を濾布で挟み込み、押しつぶして水を搾り取るほか、洗濯機の要領で水分を弾き飛ばすといった方式が採用されていた。

 それぞれに課題がある。濾布で濾し取るタイプは頻繁に目詰まりを起こすため、定期的に洗浄水で掃除しなければならない。水を弾き飛ばすタイプは消費する電力が大きく、騒音も出る。

 同社の脱水機はこれらの課題を乗り越えている。筒の中に棒状のスクリューを通し、ここに汚泥を入れて圧縮、脱水する。基本的な仕組みはこうだ。

 独創的なのは筒の形状。直径10~35cmほどのリングが幾層にも重ねられている。リングには固定と遊動がある。中でスクリューが回転を始めると、遊動リングが波のように次々と円形に動き回る。遊動と固定のリングの間に「ズレ」の運動が生じる。これで自動的に隙間を掃除し、目詰まりを防ぐ。

 「脱水機はつまるもの。その常識を覆した」と佐々木昌一社長は語る。

 環境にもよるが、この方式ならば洗浄水の量を従来の200分の1に削減できる。掃除の手間もかからない。消費電力もこれまでより最大90%まで節約した。これで汚泥処理にかかるコストを大幅に削減することができる。

 革新的な脱水機を開発し、多くの下水処理業者に頼られるアムコンだが、かつては大手メーカーの下請け業者。メーカーですらなかった。

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