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ハーバードと韓国、それぞれの「国際人」教育

英語を話すことに安住せず、異なる環境に身を置く

  • 河合 江理子

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2010年10月19日(火)

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 最近の急激なグローバル化の中で、「世界で活躍できる国際人を作ろう」という流れがある。「世界共通語」を話す英語圏の中の教育機関でも、「国際人」を養成しようという動きが出ている。もちろん彼らの言葉が「世界共通語」であるので、我々に比べれば、国際的な活動をするのに有利である。

 それでも世界が多様化していく中で、「共通語」である英語を話すことに安住せずに、異文化や歴史を学び、異なる環境に適応する必要がある。今回は、国際人教育に真剣になった米ハーバード大学の変化とお隣の国、韓国の英語教育について話したい。

海外に行く学部生が6年間で2.5倍

 私が留学していた30年前はハーバード大学の学部(undergraduate)では外国人留学生の数も少なく、生徒はアメリカ人中心で、アメリカ中心の教育が行われていたと思う。外国の大学に留学してもそこで得た単位は認められず、その分、卒業が遅くなっていた。

 そのためか、語学を専攻している学生を除けば、あまり外国で勉強しようという学生は多くはなかった。語学教育にも、あまり力を入れておらず、卒業のためには第1外国語を1年間勉強すればよかった。私も4年生の時にフランス語を勉強しただけである。

 2001年に米財務長官を辞任したローレンス・サマーズ氏が学長になり、ハーバード大学の国際化を打ち出してから大きな変化が見え始めた。ハーバード大学もようやくアメリカ人がもっと国際的になる必要性を理解し始めたのだ。外国語を話したり、他国の文化や歴史を学んだりする必要性、もっと言えばアメリカの意見が常に正論ではなく、異なる視野を持つことの重要さにようやく気がついたのかもしれない。

 サマーズ氏は2005年に「統計学的にみると女性は遺伝子的に、最高レベルの科学の研究者に向いていないと推測される」というような女性差別発言をして、ハーバードコミュニティーから総スカンにあい、ハーバード大学の教授会により、学長不信任案により2006年に辞任に追い込まれた。私が2006年6月に、ハーバード大学のキャンパスで行われた同窓会に出席した時、熱心にハーバード大学の国際化について、卒業生に語りかけてくれた。サマーズ氏は賛否両論のある学長であったが、この大学のグローバル化に貢献したことは誰しも異論がないであろう。

 今ではハーバード大学でも海外の大学で取った単位が認められるようになり、海外で勉強する学生の数も増えている。国際化が打ち出される以前の2002年度では、海外で勉強するハーバード大学の学部生は667人に過ぎなかった。2008年度は全体の4分の1に当たる1678人が海外に留学している。

 同時に、海外の生徒を積極的に入学させるという方針も打ち出した。そうすれば、キャンパス内で国際化を進めることができる。私が在学していた頃は、海外からの留学生も学部レベルでは非常に少なかった。外国人生徒がいれば、外国に行かなくても、その生徒を通して文化や歴史などに興味がわく。

 1999年度から2009年度の間に海外からの留学生は33%増、ハーバード大学の学生総数は変わっていないために留学生が全学生の20%を占めるまでになっているという。日本でも積極的に帰国子女を受け入れた慶応義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)などでは、語学の達者な帰国子女に追いつこうと全体の英語のレベルが上がったと聞く。

 ハーバード大学では、中国から次世代のリーダーのような人材を積極的に留学生として受け入れていると聞いている。ただし、中国からの留学生は中国に戻らずに、アメリカに残りアメリカで成功したいと考えている人が多いらしい。卒業25年周年のためにハーバードキャンパスを訪れたが、私が留学していた当時に比べてアジア人学生が増えているのには驚かされた。

 2010年3月にハーバード大学学長のドルー・ファウスト氏が来日した時に、日本からの留学生の数が少ないので、鳩山由紀夫前首相に日本からの留学生を増やす必要性を訴えたのはニュースにもなった。中国や韓国からの留学生は増えているのに、日本は減少。今年の学部1年生は日本人1人だけで、学部全体でも5人だけだ。

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