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国債と金利の関係を整理する

金利の変化が投資家に与える影響を考える

  • 高田 創,柴崎 健

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2010年10月19日(火)

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金利が上がれば国債価格は下がる

 今回は、国債の問題を考えるための基礎知識を習得することが目的である。

 国債を考えるとき、多くの人にとってまず最も分かりにくいのは、国債の金利と価格の関係であろう。金利は債券市場の動向によって決定される。ここで、金利と債券価格の関係をまとめてみよう。債券(ここでは通常の固定利付債券を想定する)には、預金と同様に毎期の利払いと満期の償還額(通常100円)が定められている。債券のことをfixed income(確定利回り) と呼ぶのは、将来に生じるキャッシュフローが確定しているからである。

 著者が過去、国債を特集したテレビの経済番組に出演したとき、作成現場の担当者の方々も債券の価格と金利の関係が十分に理解できず、価格と金利の関係を解説する必要が生じた。テレビの作成現場でもこうした状況にあることは、その番組の視聴者の理解も多分に同様であると考えるべきだ。

 テレビは、国民にとって最も接する機会が多いメディアであろう。そしてテレビは視聴者に瞬時の判断を求める。このため、テレビを通じて視聴者が新たな概念を理解することは難しい。さらに、テレビの報道において、債券価格の上昇と金利の上昇とを混同する表現がよく見られるのが実情だ。

 はじめに、債券価格と金利について直感的な議論をしよう。金利が上がるとどうして価格が下がるかを直感的に考えると以下のようになる。

 100円の価格がついた債券は毎年2%の利払い、すなわち毎年2円の利払いがある(2%の金利水準)。ここで、市場における金利が仮に上昇し、3円の利払いが行われる状況(3%の金利水準)になったら、2円の利回りが約束された債券の魅力は低下してしまう。その価格は100円を下回ることになるだろう。いっぽう、市場において金利が低下し、1円しか利払いが行われない環境(1%の金利水準)になれば、2円の利払いを約束された債券に対して人気が殺到し、価格が100円を上回ることになる。

利回りはインカムゲインとキャピタルゲインで決まる

 次にもう少し、算数を使って具体的に金利と価格の関係を考えてみよう。同じく、年率2%で期限が2年の債券があるとしよう。今、この債券が98円の価格にあるとすれば、利払いに伴うインカムゲイン(利息収入)は

2/98=0.0204

 2年後に100円で償還されるので、償還に伴うキャピタルゲイン(買値と償還価格との差)は1年に1円で、

1/98=0.0102

 となるので、合計して

0.0306
3.06%となる。

 ここで、この債券が96円に下落したら、インカムゲインは

2/96=0.0208

 キャピタルゲインは、2年後に100円で償還されるから、1年に2円で、

2/96=0.0208

 となるので、合計で0.0416
4.16%となる。

 すなわち、債券の価格下落は利回りの上昇になる。金利の動きと債券価格は逆の動きをする。

金利は将来の価値を測る割引率

 より抽象的に言えば、金利は将来の価値を測る手段でもある。現在の100円と10年後の100円の価値は異なる。現在の100円は、10年間一定の金利で運用すれば、100円を超える金額となる。このため現在の100円は10年後の100円よりも価値が大きい。10年後に100円で償還される国債を現在の価値にするためには、将来キャッシュフロー(将来受け取る利息と償還金)を10年金利で割り引いて評価する必要がある。換言すれば、現在と将来のキャッシュフローの交換レートが金利である。

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