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新防衛大綱見直しのあるべき方向は「安保懇報告書」が示している

「先送り」は日本の安全保障に致命的な禍根を残す

2010年10月27日(水)

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 菅直人内閣は、年末までに新しい防衛大綱を閣議決定する予定だ。防衛大綱は、日本の中期(5~10年)の安全保障政策の指針を示す重要な文書である。本来なら昨秋、改定する予定の文書だったが、政権に就いたばかりの民主党が1年延期した。

 このコラムでは、外交官や自衛隊のOB、国際政治学者などの専門家が考える防衛大綱の「私案」を紹介する。日本は、集団的自衛権の行使を今後も 禁止し続けるべきなのか?

 非核三原則、武器輸出三原則などの「原則」を今後も維持し続けるべきなのか? 日米同盟はいまのままでよいのか? 米軍基地は 日本に必要なのか?

 安全保障政策に関する議論は、これまでタブー視されてきた。しかし、本来はみなで議論し決めていくものである。このコラムで紹介する私案は、ビジネスパーソンが自分のこととして安全保障政策を考える際の座標軸づくりに役立つはずだ。

 第5回の著者は、潮 匡人氏。

 「防衛計画の大綱」(以下、防衛大綱と略)の見直しが遅れている。防衛大綱とは「わが国の安全保障の基本方針、防衛力の意義や役割、さらには、これらに基づく、自衛隊の具体的な体制、主要装備の整備目標の水準といった今後の防衛力の基本的指針を示すものである」(平成22年版防衛白書

 本来なら、明確な「国家安全保障戦略」に基づき、政府が粛々と策定するべきものだが、米国などと異なり、日本には、こうした国家戦略もない。

 現在の防衛大綱は、2001年9月11日の同時多発テロを受け、「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱について」として、2004年(平成16年)に策定された。防衛関係者は「16大綱」(ひとろく大綱)と呼称する。さかのぼれば、1976年(昭和51年)の「51大綱」、1995年(平成7年)の「07大綱」が策定されてきた。

 現在の「16大綱」は「我が国に直接脅威が及ぶことを防止し、脅威が及んだ場合にはこれを排除するとともに、その被害を最小化すること」「国際的な安全保障環境を改善し、我が国に脅威が及ばないようにすること」の2つを安全保障の目標として掲げている。これら2つの目標を達成するため、「我が国自身の努力」、「同盟国との協力」および「国際社会との協力」の3つのアプローチを統合的に組み合わせることとしている。

 この「16大綱」は、具体的な防衛力の目標の達成時期をより明確に示すことが重要との考えから、防衛力のあり方はおおむね10年後までを念頭に置くとした。さらに、5年後または情勢に重要な変化が生じた場合には、その時点における安全保障環境、技術水準の動向などを勘案し検討の上、必要な修正を行うこととした。事実「5年後」に当たる昨年(2009年)内に見直す予定であった。

 ところが、昨年の総選挙の結果、政権交代が起こり、「大綱の見直しという国家の安全保障にかかわる重要な課題については、新しい政府として十分な検討を行う必要がある」との「判断」から、見直しは本年(2010年)中に「結論を得ることとされた」(白書)。

 防衛省は、第20代統合幕僚会議議長を務めた西元徹也元陸将を、防衛大臣補佐官に起用し、大綱見直し作業を進めてきた。その最中、鳩山由紀夫首相が突然、辞任を表明。夏の参院選で与党が惨敗し、いわゆる「ねじれ国会」が出現。加えて、最大与党の民主党代表選挙が実施され、長期にわたり、事実上の政治空白が生まれることになった。

 代表選の結果、菅直人首相が続投することになったが、民主党内の亀裂は深まった。政局の流動化は避け難い。はたして、防衛大綱は予定通り年内に見直されるのであろうか。再び、先送りされ、年を越す恐れすら否定できない。

 政局の先行きは不透明だが、大綱見直しの方向性は見えている。鳩山内閣は今年2月16日、「安全保障と防衛力の在り方に関係する分野等の有識者」などで構成する「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」(以下、安保懇と略)の開催を決定。安保懇は5月までに8回開催され、8月27日に第9回の会合を開催し、報告書「新たな時代における日本の安全保障と防衛力の将来構想―『平和創造国家』を目指して」を菅首相に提出した。

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