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金利は経済の“体温計”である

デフレ経済では、実質金利が高止まり成長力を削ぐ

  • 高田 創,柴崎 健

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2010年10月26日(火)

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 金利はわれわれの生活や経済活動にとって、きわめて重要な指標である。金融が経済活動の血液のように循環するものであるとすれば、金利は血液の流れの強さを測る「体温」ないし「血圧」のような働きをする。金利は経済全体の資金循環の強さを示すものである。一般的に、「外科的」に外部との関係が反映される為替市場の動向には関心が払われる。だが、「内科的」、「循環器系」で血液の流れを示す金利への関心は低いのが実情だろう。しかし、われわれは金利が示すメッセージが、為替以上に「体」の実態を示す本質的なものと考えてきた。

 世の中の資金の流れを示す資金循環を経済主体別に見れば、資金余剰セクターと資金不足セクターが存在する。余った資金を不足している主体に融通することが金融の本質である。資金仲介を担うのが金融機関で、その際に発生する資金取引の値段が金利である。

 日本の場合、家計が一貫して資金余剰セクターであり、国内最大の資金不足セクターは公的部門である。2つのセクターを仲介するのが銀行などだ。銀行は公的部門に対して、主に国債投資という形で資金を融通する。

 日本では1990年代前半までは民間企業(民間非金融法人企業)も資金不足セクターであった。銀行は民間企業へ大量の資金を貸し出していた。その後、1990年代以降、民間企業は資金余剰セクターとなったため、借入金を返済している。企業の借入需要が低下したため、企業向けの貸出金利も低下している。

 短期金利は日銀の金融政策によって決まる

 金利はどのようにして決まるのだろうか。金利は実体経済のバロメーターであり、景気が良くなれば金利は上昇し、景気が悪化すれば金利は低下する。金利を短期金利と長期金利の2つに大きく分けてみよう。

 短期金利は、日本銀行の金融政策に大きく影響を受ける。金融政策は、無担保コール・オーバーナイト物金利(金融機関同士が期間1日で資金の貸し借りを行う際の金利)の誘導目標を決め、これが短期金利のアンカーとなる。日本銀行は、景気後退局面では利下げを行い、金融機関の貸出金利の引き下げを促し、経済活動の活発化を促す。いっぽう、景気が過熱した局面では、利上げによって、企業の資金調達コストを上昇させて、景気の減速を狙う。

 長期金利の変動要因:予想短期金利、名目成長率、国債の信用力

 長期金利は、基本的には将来にわたって市場参加者が想定する短期金利の平均値となる。すなわち、10年長期金利は今後10年分の予想短期金利の平均値が一つの目安となる。長期金利と短期金利は関係が深く、日本銀行の金融政策は長期金利にも大きな影響を与える。低金利の環境では、いずれ短期金利が上昇すると考えられるため、長期金利は短期金利を上回る水準になる(順イールド)。逆に、高金利局面において金利がピークに近づくと、今後、短期金利が低下する可能性が高まるため、予想短期金利の平均が低下するとともに、長期金利は低下する。この場合、長期金利は短期金利よりも低くなる(逆イールド)。

 長期金利は、短期金利だけでなく経済成長とも密接な関係がある。名目GDP成長率と長期金利は基調として同じ動きをする。1980年代後半のバブル景気の時期は、成長率が上昇するとともに長期金利が上昇した。逆に、景気悪化局面では経済成長率の低下に引きずられる形で長期金利の低下が生じた。

 長期金利も基本的には短期金利と同じように動くが、金利水準を比べれば長期金利が短期金利よりも高いことが多い。資金の借り手である企業や個人は、契約期間が長ければ、それだけ安定的な資金を確保することができる。貸し手である金融機関はその分、長期資金を提供するに当たって、短期調達に加えて相応のプレミアムを求める。これを流動性プレミアムという。

 また、国債の信用力が低下すれば、投資家は信用プレミアムを要求する。財政が悪化すれば国債発行額が増えるため、需給バランスが崩れる懸念が高まりプレミアムが生じる。このように長期金利は様々なプレミアムも織り込んで決まる。プレミアムは投資家の思惑を反映する部分であり変化も大きい。長期国債に投資する際は、投資家の思惑の変化も考慮する必要がある。

コメント2件コメント/レビュー

デフレに金融政策が効かないのは昔からわかっていますよ。政府の財政出動ですよ。ケインズに聞いてください。マネタリズムに汚染しているから、経済学的にわからないなどと、間抜けなことを言うのですよ。(2010/10/26)

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いただいたコメント

デフレに金融政策が効かないのは昔からわかっていますよ。政府の財政出動ですよ。ケインズに聞いてください。マネタリズムに汚染しているから、経済学的にわからないなどと、間抜けなことを言うのですよ。(2010/10/26)

 デフレ対策として、単純にシニョレッジでお札を印刷してはいけない理由をきちんと説明した経済学者がいないのですが、単純に「そんなの非常識だ」といった類の固定概念以外に理論的な根拠は存在するのでしょうか? 純然たるデフレ対策という目的で、デフレギャップ分の紙幣を印刷して年金や国債償還といった固定的支出の財源としていけない理由は何なのでしょうか?(2010/10/26)

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