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トイレのティッシュを三角に折る余裕を

向上心の高い人間は、教育せずとも能力を高めていく

2010年10月22日(金)

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 部下の仕事能力にいつも振り回されストレスを感じる。どうすれば部下が伸びるのか。(40代男性)

 遙から

 私の場合、仕事能力の個人差というものを思い知るものに、家事代行業、というのがある。私が発注しているそこは、担当者を固定する、留守中に作業してもらう、などの選択肢があるが、最も価格を抑えたものを私は選んでいる。担当者は毎回変わり、家事が終わるまで私自身が家に居る、というコースだ。これは担当者それぞれの家事能力を私が目の当たりにする結果となった。

 私自身が家事をする場合、1時間もあればトイレ、風呂、キッチンの水周りから、全室の掃除機をかけるところまでこなせる。代行業は2時間発注だから十分な時間に思えた。

 別室にいながらも、何気なく担当者の掃除の進み具合と時間経過を意識していた。1時間経ってもまだ掃除機の音が聞こえる。豪邸ではないただのマンションの、また、フローリングの部屋の掃除になぜ1時間もかかるのか。いぶかしく思い、掃除機のかけ方をのぞきに行った。そして驚いた。

 担当者は1カ所で3往復ノズルを動かしていた。丁寧といえば丁寧な作業だ。だが、板の上のホコリを取るには、1度ノズルが通過すれば十分ではないのか。絨毯の下のダニはいない。

 「それ、1往復で。そしたら時間は3分の1になります」と小姑みたいなことは言いたくないので、「時間を気にして作業してください」とお願いした。

 案の定、時間が足りなくなり、「キッチンはできませんでした」と言って帰って行った。

 また、ある担当者はベッドメーキングに30分かかっていた。5分で済むものをなぜ?とまた気になってのぞきに行った。一目見て理解できた。

 手が遅いのだ。本気になって丁寧にゆったりとベッドメーキングをしようと思えば、人はそれに1時間でもかけられる。

 完璧な、シワひとつないシーツで、汚れた他の場所を残して「できませんでした」と帰るより、すべてを“適宜に”こなす、ということの難しさに、私は首をかしげた。

 またある日、寝室でなにやらドンと音がしたと思ったら、担当者が血相変えて私に詫びに来た。

 「寝室で転んでしまい、シーツに化粧がついてしまいました」

 寝室に行ってみると、転んだ時に蹴ってしまったのだろう。部屋にはごみ箱が倒れ、中にあったゴミが散乱していた。

 化粧くらい、と、思いつつ、シーツに視線を移して驚いた。

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「トイレのティッシュを三角に折る余裕を」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師