• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

半世紀ぶりに起こった「特需」という言葉のブーム

問題の先送りが生んだ一発逆転願望

2010年10月26日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

この夏の日本は、観測史上で最高とも言われる猛暑に見舞われました。それに伴って出現したのが「猛暑特需」。アイスクリームがたくさん売れたり、コンビニの来店客が増えたりしました。さてこの「特需」という言葉。2000年代以降、メディアにおける使用頻度が増えているような印象があります。果たしてその印象は本当なのか、本当だとしたら何が原因なのか、筆者なりに考察してみることにしました。

右肩上がりの用例数

 筆者が「このこと」に気付いたのは、グーグルで「特需」というキーワードを検索したときのことです。最近のグーグルでは、検索結果ページの左側に常にツールが表示されるようになりました。その中から「タイムライン」をクリックすると、時系列のグラフが表示されます。この機能は、いわば「検索語の歴史」を調べるための機能。まず検索語が登場するウェブページを調べ上げる。各ページが公開された日付も調べます。そしてその日付ごとに、検索後を含むウェブページの出現数がどのように変化しているのかを、棒グラフで知ることができるのです。

例えば「同時多発テロ」という検索語でこの機能を使うと、「2001年9月」と記載したウェブページをたくさん発見できます。検索結果として表示される棒グラフも「2001年9月」にピークを示します。

画像のクリックで拡大表示

 表示されたグラフは、実に興味深い傾向を示していました。まずグラフは1950年代の初めごろに大きなピークがあります。これは後述する朝鮮戦争特需に伴うピーク。もちろん事前に予想が付いた傾向でした。

 ところがグラフをよく見ると、これとは別にもう一つの大きなピークも見つけることができます。その時期はなんと2010年。つまり現在です。棒グラフは2000年代に入ったあたりから右肩上がりの形をつくり出しています。グラフで見る限り、2000年代は朝鮮戦争特需以来の「第2次特需ブーム」ということになりそうです。

 念のためこの傾向を、新聞記事における言及数でも検証してみることにしました。検証に使ったデータベースはG-Searchが提供する「新聞・雑誌記事横断検索」というサービス。調査対象とした期間は1987年から2010年まで。新聞は朝日・毎日・読売の3紙を対象としました(産経は電子化が1991年のため本調査では除外、日経はサービスの対象外)。

 以上の条件で、3紙の見出しにおける「特需」の登場回数を調べると、次のようなグラフを作成できました。1987年には4件だけだった見出し数が、1999年に75件となり50件のラインを突破。以後増減はあるものの、2000年から2009年にかけて年平均57.5件の見出しに「特需」が登場します。

 しかも今年は9月末現在で82件。このままのペースが続けば、「特需」を含む見出しが、初めて100件以上登場する可能性があります。どうやらグーグルだけではなく新聞も、2000年代における「特需」の盛り上がりを示しているようです。

それは朝鮮戦争から始まった

 さて、もし現在が第2次特需ブームなのだとしたら、それは一体何を示しているのでしょうか。それを知るためには「過去から現在にかけてどんな特需が発生したのか」を検証する必要がありそうです。

 そもそも特需という言葉は「朝鮮戦争特需」をきっかけに定着した表現でした。1950年に開戦した朝鮮戦争に伴い、在日米軍が日本に対して軍事物資やサービス(軍服・軍用毛布・鋼管・鋼材・食料・修理業務など)の買い付けを実施。これが特需と呼ばれたのです。

 その後、前述した意味の適用範囲が広がって「一過性の出来事で生じる需要の増加」も特需と呼ばれるようになりました。もちろん朝鮮戦争特需以降も「ベトナム戦争特需」(ベトナム戦争に起因)など軍事にかかわる特需は続きました。ただその一方で「五輪特需」など軍事以外のイベントを契機にする需要増にも適用範囲も広がっていったのです。もちろん今年の「猛暑特需」のように、自然現象に由来する特需も存在します。

コメント0

「社会を映し出すコトバたち」のバックナンバー

一覧

「半世紀ぶりに起こった「特需」という言葉のブーム」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

大量陳列、大量販売というのがある程度限界にきているのかなと思います。

松﨑 曉 良品計画社長