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レアアース対策に3つの幻想

  • 山崎 良兵,小笠原 啓

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2010年11月2日(火)

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世界一のレアアース生産国、中国の輸出規制が世界を揺るがしている。自動車、電機などの基幹産業では、工場が停止するリスクさえも浮上。在庫確保、脱中国依存、政府支援といった対応策の多くは幻想に過ぎない。

 「今のまま輸入停止が続けば、(排ガス浄化装置向け触媒の原料で、レアアース=希土類=である)中国産の『セリウム』の社内在庫は、年明け早々に枯渇する」。第一稀元素化学工業の井上剛社長は衝撃的な言葉を口にする。

 同社は、自動車用排ガス浄化装置向けの触媒で、世界シェア5割を握る。万が一、レアアースの在庫が底を突いて、触媒の生産が止まれば、国内外の自動車生産には大打撃となる。

 もちろん第一稀元素化学は既に手を打っている。米国で稼働を停止した鉱山にあったセリウムの在庫を緊急輸入。「非常に不純物が多くて使いにくいが、分離・精製して使いこなしていきたい」と井上社長は説明する。

米国産の在庫を緊急輸入

 米国産の原料で生産した触媒を使った排ガス浄化装置は、自動車関連メーカーが現在試験中だ。承認を得られれば、中国産を代替できるので、来年3月末までは在庫を維持できるという。

 ハイブリッド車や電子機器などの性能向上に欠かせない17種類のレアアース。中国は世界生産の97%という圧倒的なシェアを持つ。

 しかし今年9月中旬に、日中間の緊張が高まって以降、中国からのレアアース輸入はほぼ完全に止まっている。

 レアアースなどを扱う商社、アドバンストマテリアルジャパン(AMJ、東京都港区)の中村繁夫社長はこう語る。「9月18日以降、ばったりと荷動きが止まった。いまだに1トンのレアアースですら輸入できていない」。

 業界関係者は、中国政府は明確に日本を標的にしていると断言する。「レアアースを“外交カード”に使えと、中国政府上層部が指示しているようだ。直接日本に輸出する貨物だけでなく、韓国や香港経由の貨物も念入りに調査している」(関係者)。中国政府は公式には否定するものの、事実上の「対日禁輸」状態になっているという。

 この結果、中国での通関手続きが麻痺状態になった。これに伴い欧米向けのレアアース輸出も滞り、日本を含め各国が反発する事態に発展した。

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