楽天が10月19日、中国版楽天市場「楽酷天」を開設した。最大手の検索企業、百度と組み万全の体制を敷いた。だが、一筋縄ではいかない中国市場で苦戦が予想されている。
台湾、タイ、インドネシア、米国、フランスと次々と海外展開を加速する楽天が最も神経を使うのが中国だ。インターネット人口は既に4億人を超えた。優に日本の総人口を凌駕する中国のインターネット市場は、グローバル企業への転換を急ぐ楽天にとって命運をかけた戦いの場となる。
10月19日にスタートした中国版楽天市場、「楽酷天(らくてん)」には並々ならぬ精力を傾けた。日本で培ったノウハウを中国で展開するため、技術者や出店企業の教育係を送り込むなど人員も配置した。「日本の楽天市場の機能開発が大幅に遅れている」と関係者が漏らすほどだ。こうした集中投資によって楽酷天は開始時に2000社の出店企業を集め、まずまずのスタートを切った。

しかし、中国のあるネット企業の社員は楽酷天を一目見てこう語った。
「楽天は半年間、何をやっていたのか。まさか本気で作ったサイトとは思えない」。デザインがまるで中国人のテイストに合わない。さらには、中国語の「ウィンドウズ」からアクセスしているにもかかわらず、一部日本語に文字化けしていた。
楽酷天が戦うべき相手はアリババグループが運営するEC(電子商取引)モール「淘宝網(タオバオ)」だ。楽酷天とは異なり、個人間で商品を売買するオークションサイトだが、自営業者や企業も入り乱れた巨大市場を形成。中国EC市場の実に8割のシェアを淘宝網が握る。
もちろん、楽酷天も勝算なく飛び込んだわけではない。「非常に強力な検索エンジンを持つ百度(バイドゥ)と極めて強力なパートナーシップが構築できている」。
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