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バブル崩壊を日本が乗り切れたのは国債発行する力があったから

国債を安定的に発行し資金を調達する力は「国力」そのもの

  • 高田 創,柴崎 健

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2010年11月9日(火)

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“先送り”した国債をいつかは返済する必要がある

 バブル崩壊に伴うバランスシート調整では、不良債権を処理する過程で、金融機関がまずその負担を負う。次に金融機関だけで対応できない負担が政府、国債へ行く。債務を負担する主体が段階的に変化していくわけだ。よって、国債は「身代わり地蔵」だとした。国債を身代わり地蔵とする措置は問題処理の先送りではあるものの、同時に時間の余裕を確保したことになる。

 当然、政府は負担したコストを埋める収益を確保するために、時間を掛けながらも着実に返済を行なう原資を確保する必要がある。その原資を確保するために政府は、日本全体が収益力を高める、海外からの外需を拡大させる、海外から流入する投資資金を確保する、などによって対応してきた。

 今回も、バランスシート調整のなかで、国債が担う役割を考える。そして、どのようにしてバランスシート調整を進めるかを議論したい。振り返れば、結果的に、過去10年の日本のプロセスはその対応が教科書通りに進んだ事例だった。

債務を肩代わりするプロセス

 バランスシート調整プロセスの基本形では、資産デフレに伴う過剰債務がまず金融機関の負担になる。その負担が政府に移行する過程で国債残高が積み上がる。

 日本が歩んだ1990年代以降のプロセスは、図の右側における損失の負担を段階的に行うものであった。国債はそのために不可欠なコストであった。次の課題は「身代わり地蔵」として積み上がった国債残高をいかに減らすかである。そのためには、負担処理の原資としてキャッシュ・フロー(収益力)を高めることが必要である。収益力を拡大するための要素を図の左側に示した。

 1つ目は、収益力を高めるべく国内の生産性を改善することである。産業のイノベーション、規制緩和、税制改革といったものである。2つ目は、海外を視野に入れて市場を拡大し収益を上げることである。輸出を増加させて企業業績を改善させて、経常収支の黒字を確保するといった例である。その観点で、自国通貨の下落(日本にとっては円安)は大きなサポートになる。

 3つ目には、内外の資本流入を加速させることである。対内投資を活発化させれば、それが呼び水となり、海外マネーが流入して資産価格の上昇が見込める。また、M&Aなどの対外投資を進めることで日本企業の収益性を高めることが可能となる。

 以上の手段は、日本全体のキャッシュ・フローを増加させることにつながる。企業収益の向上は家計の所得を増加させる。その結果、税収が増加し、国債を償還するための財源を確保すること可能となる。

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