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学校って、どうやって設立するのでしょう?

第2回 理想の関係は生徒と学校が「相思相愛」

  • 小林 りん,中西 未紀

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2010年11月15日(月)

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 2013年、軽井沢に日本とアジアをはじめとする世界各国の子供が寄宿する全寮制の高校を作る――。こんな目標を掲げて、日々、奔走する女性がいる。一般財団法人軽井沢インターナショナルスクール設立準備財団代表理事の小林りん氏だ。

 なぜ小林氏は全寮制インターナショナルスクールを開校し、何を成し遂げようとしているのか。「ゼロから学校を作る」取り組みを追っていく。

第1回 「サマースクールで子供たちに教えられました」から読む

 「これだけ『アジアの時代』などと言われているのに、今の日本の教育にはとかく欧米志向になりがちなところがありますよね」

 なぜ今、日本で全寮制のインターナショナルスクールを作ろうとしているのか――。その思いを問うと、小林りん氏はこの学校が持つべき“日本らしさ”“アジアらしさ”へのこだわりを語り始めた。

 「私自身、カナダの高校やアメリカの大学院を出ていて、そこで学んだことは非常に大きいのですが、実際にアジアで次世代を担うリーダーとなる人材を育てようという時、少数の強いリーダーが全体を引っ張っていくような米国型のリーダーシップのモデル以外にも、日本らしさやアジアらしさを生かした多様なリーダーシップのモデルがもっと意識されてもいいと思うのです」

 そこには、「欧米主導の資本主義社会の限界が囁かれる中、和を重んじ、共存共栄の精神が強いアジア的な価値観は、これから世界でも必要とされていくものになるのではないか」という思惑もあるようだ。

 もともと「日本で初めての全寮制インターナショナルスクールを作る」という発想が生まれたきっかけは、そもそも学校作りの構想を小林に呼びかけ、共に学校設立に尽力しているあすかアセットマネジメント(東京都千代田区)代表の谷家衛との出会いにまでさかのぼる。小林と谷家は互いにどのような思いを持ち、志を一緒にすることになったのだろうか――。 

フィリピンで痛感した疑問と限界

 2007年、小林は国連児童基金の職員として、フィリピンで忙しい毎日を送っていた。

 フィリピンには、親のいない、住民登録もされていないようなストリートチルドレンが10万人近くいると言われている。ともすれば、それが犯罪の温床となり、売春や臓器売買といったことまで起こってくる。そんな彼ら彼女らの最低限の人権を守るうえで、「教育」の意味は大きい。

 「子供たちが文字の読み書きができるようになること、できれば学校に行き始めることは、そんな負のスパイラルから抜け出して自分の人生を切り拓いていくために、非常に大事なことです。ユニセフ(国連児童基金)では、年間8000人から1万人のストリートチルドレンたちに教育の支援をしていました。ただ・・・」

 小林は仕事にやりがいを感じる一方で、その前に立ちはだかるあまりに大きな格差に、むなしい気持ちも抱えていた。

 「我々の活動はそれぞれの子供たちを確実に変えていきましたが、そんな子供たちを生み出している国全体の体制を変えるほどのインパクトがあるかというと、必ずしも十分ではありませんでした」

 もし彼ら彼女らが高校や大学へ行ったとしても、高失業率のフィリピンでは職が見つかるかどうかも危うく、結局は貧富の差が解消されないという現実があった。国内でも頑張れば何とかなる――。そんな希望さえ失っていたことは、優秀な人材ほどどんどん海外へ出ていくことからも明らかだった。

 フィリピンは、GDP(国内総生産)における海外からの仕送りの割合が13%にも上る国だという。国内にチャンスがないから、それを海外に求めるしかないのだ。

 小林が勤めていたユニセフのオフィスにも、毎年2~3人のフィリピン人の職員から「ビザが下りました!」との報告があった。そして、皆に祝福されて、海外へ出て行く。「私は、あなたの国が大好きで少しでも役に立ちたくて頑張っているのに・・・」。心のどこかで、小林はそう思わざるを得なかった。1999年に結婚した小林は、夫を日本に残しての赴任だった。

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