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中間選挙後の嵐:財政赤字論議で民主・共和激突へ

下院制覇の共和党、2012年大統領選を視野にオバマ政権揺さぶり

2010年11月9日(火)

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 11月2日のアメリカ中間選挙は、失業率9.6%、財政赤字1兆2900億ドル、オバマ大統領の不支持率50%の中で行われた。下院では与党・民主党が60議席を失うという歴史的敗北を喫した。上院は現有議席を失いながらも民主党が僅差ながら過半数を死守した。日本と同じようにアメリカでも「ねじれ議会」となり、オバマ政権は今後厳しい政権運営を強いられる。

 上院で「関が原の戦い」となったネバダ州では、オバマ大統領を支えてきたT・リード上院院内総務がかろうじて勝った。しかし下院では、N・ペロシ下院議長の右腕だったJ・スプラット予算委員長(サウスカロライナ第5区)やI・スケルトン軍事委員長(ミズーリ第4区)といった大物議員たちが枕を並べて討ち死にした。

 選挙結果を報じた米メディアは、「オバマと民主党に対する最後通告」(CBSテレビのB・シーファー記者)、「オバマ拒絶の大合唱」(K・コーリック政治コメンティター)と厳しい指摘をしている。2年前のオバマ圧勝、民主党議会制覇がウソのようだ。

茶会が支持した候補が躍進

 オバマ大統領に対する「拒絶感情」を一種の「風」にしたのが、「ティーバーティ(茶会)運動」だった。予備選段階で、共和党の候補者選びに踏み込んできた白人の草の根保守勢力だ。

 彼らは「大きな政府」「ばらまき政治」に反対すること以外に具体的な政策の実現を掲げているわけではない。「茶会」が反オバマの「風」となり、「空気」となった背景には、多額のカネをつぎ込みながらも一向に好転しない景気、若者を中心とした失業率の高止まりがある。だが、「『茶会』の本心はオバマという黒人大統領が嫌いだという一点だ」(カリフォルニア大学バークレイの黒人教授)とはき捨てるように言い切る声もある。敗因には人種的要素が潜んでいるというのだ。

 確かに、下院選挙に投票した有権者1万7000人を対象に行った出口調査によると、白人でオバマ民主党を支持したのは38%(2年前は43%)。つまり6割以上の白人がオバマ政治に「ノー」を突きつけたことが分かる。まさにアメリカのマジョリティである白人の「逆襲」(共和党系シンクタンク上級研究員)といった面があることも否めない。

 その「茶会」が今回の選挙で推薦・支持した上院議員候補は、J・ミラー(アラスカ)、J・ブーズマン(アーカンソー)、K・ベック(コロラド)、C・オドンネル(デラウェア)、M・ルビオ(フロリダ)、M・クラポ(アイダホ)、J・モラン(カンザス)、R・ポール(ケンタッキー)、S・アンゲル(ネバダ)、J・ホーベン(ノースダコタ)、T・コバーン(オクラホマ)、J・デミント(サウスカロライナ)、J・トーン(サウスダコタ)、M・リー(ユタ)、D・ロッシ(ワシントン)、P/トゥーミー(ペンシルベニア)、R・ジョンソン(ウィスコンシン)の17人。

 17人中、フロリダ州で三つ巴の戦いを制したデミント候補をはじめ11人が当選した。落選したのは、最も米メディアの注目を集めたネバダ州のアンゲル候補ら3人。ワシントン州など3州では僅差すぎて当落が決まっていない(11月3日現在)。

 一方下院選で「茶会」が推薦・支持した共和党候補は103人(保守系フォックス・ニューズ調べ)。そのうち52人が当選、35人が落選、残り16人は当落が決まっていない(11月3日現在)。ネブラスカ州では「茶会」推薦・支持候補が全議席を独占した。「茶会」は州知事選でもフロリダ、ニューヨークなど8州で推薦・支持候補を立てた。結果は3勝4敗1未決定(11月3日現在)となっている。

 下院「茶会」のリーダー格のデミント氏は、「茶会グループ」を創設する考えを示唆、共和党の一角を占める政治勢力になりそうだ。

下院議長は保守過激派のベイナー、院内総務は若手有望株のカンター

 オバマ大統領にとって唯一の救いは、上院において民主党が早い段階で過半数の51を確保できたことだ。たとえ共和党下院が「理不尽な法案」を可決しても、上院で拒否することができる。“内堀”だけは守れたわけだ。しかも、共和党が獲得した議席数は、大統領の“伝家の宝刀”である拒否権を覆すのに必要な「上院3分の2の票」にはほど遠かった。

 さらに2年後のホワイトハウス奪還を目指す共和党としては、今後の議会運営を通じて、米国民に「責任野党」であることを示さねばならない。

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「中間選挙後の嵐:財政赤字論議で民主・共和激突へ」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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