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オバマ大敗から読む「資本主義の第4楽章」

  • 濱田 康行

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2010年11月11日(木)

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 11月の米中間選挙でオバマ大統領率いる民主党が大敗した。これを見ると「米国も彷徨っている」という印象を強く受ける。リーマンショックの衝撃で弱った米国を、「チェンジ」で立ち直らせるという戦略に早くも国民の「失望」が突きつけられた。

 これを別の角度からみれば、リーマンショックを象徴とするかの事態がいかに大きく、かつ構造的な出来事だったかがよくわかる。世界に広がったこのショックによって、資本主義は、1つの時代を終えたのかもしれない。歴史の曲り角を、どちらの方向かはわからないが、ともかく曲がったのである。

 問題は曲がった方向だろう。先ず「来し方」を振り返り、どこに向かうかを考えてみよう。

 その昔、かのダーウィンに刺激されて「社会も進化する」という考え方が支配的になったことがあった。いわゆる社会進化論だが、これは本家のダーウィンに比べれば説得力に相当劣っていたが、一時は世界的に流行した。例えば、日本では明治の初期にこの思想が導入されて、弱肉強食→弱い国は強い国に支配される→それを阻止するための富国強兵策を取るという動きに帰結した。

 ここで社会進化論を吟味するつもりはないが、社会もある時点で進化はともかく変化するという観点でリーマンショックまでの資本主義を眺めてみることは意味があるだろう。

 資本主義経済は過去に三度、自らを変化させた。だから、私達は第4の局面に、交響楽になぞらえていえば“第4楽章”に入ったところにいる。

資本主義に3つの変革

 資本主義は18世紀の終わりから19世紀の初めにかけての英国に生まれた。それは必ずしも順調ではなかったが、19世紀中頃に制度として完成した。それは他の欧州諸国へ、新しい国・米国へ、そして日本やロシアにも地理的に拡大した後、ひとつの転機を迎える。その転機をもたらしたのは、1917年のロシア革命と、1929年から始まった世界大恐慌である。

 社会主義は、資本主義のアンチテーゼでもあり、言うことを聞かない弟分でもあったが、そのインパクトは大きかった。また当時は、社会主義を思想的に支えるマルクス主義も健在であった。1929年からの出来事は、社会主義の有利性を証明するかのようでもあった。しかし、この頃から資本主義は自らを変えはじめる。それは、あたかも、ダーウィンの言う自然適応による適者生存の道であった。

 資本主義が変革のために取り入れたのは次の3つであろう。1つは福祉政策、資本主義に生きていても人々は貧しくならない、少なくとも生存を保障する。第2は、もう一歩進んで、人々の生活を豊かにする政策。そのためには大量に生産し(フォーデズム)価格を下げ大量に消費する。労働者を搾取して最低生活賃金に抑え込むのではなく、賃金を労使の団体交渉で決める。国家による最低保証と賃金の全般的上昇によって、確かに人々は社会主義を羨望の目でみる必要はなくなった。第3の変化は国家が経済に全面的に介入するようになったことである。福祉政策だけでなく、景気の安定装置としての財政支出、等々。かくして、資本主義はお金のかかる大量に資源を消費する福祉国家に変貌し、第2楽章に入る。

 第2楽章にも危機はあった。資本主義国間で世界分割の戦争になり、核兵器が発明され使用される。人類的絶滅は日・独・伊の降伏によって避けられ、東西の雪解けもあって、その後はパックスアメリカーナが展開する。第2楽章でアメリカの次に繁栄を享受したのが日本であった。日本の高度成長は第2楽章の象徴であった。

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