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「完璧な偽物」の“やる気”と“意欲”

経済の勢いの差? とにかくやる気に満ちた若者は海外にいた

2010年11月12日(金)

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 何度面接をしても就職できません。気持ちも萎え、焦りばかりが募ります。(20代男性)

 遙から

 「皆、履歴書は定番の記述のみで、面接しても強い意志を主張するわけでもなく、あれでどうやって就職しようというのか」

 とは、私の事務所でちょうど面接をしていた担当者の感想だった。

 面接の様子をのぞき見たが、大人しげな青年たちが素直に質問に答えている様子が印象的だった。

「内勤なら内向的でもいいのでは?」
「事務以外にも、ちょっとした交渉力は必要なんです。即答を避ける判断とか、こちらに不利にならない逃げとか。営業ではなくても仕事先の人と会う機会がある以上、交渉力はある意味、事務能力より重要です」
「なるほど」

 大企業ほどの役割分担ができない中小企業ならではの必要とされる戦力だった。

 過去に事務所を辞めていった人間の中に、再度、戦力になる人物がいないか検討してみた。

「○○さんはどうです? 学習能力はバツグンで、過去の膨大なデータを一気に経理ソフトに打ち込んでみせた仕事力は素晴らしいものがありました」
「確かに。愚直なまでにひとつのことをやらせたら音を上げない根性は評価するけど、その結果、作ったデータのとっ散らかり様たるや…」
「そうでした…。作った本人でさえ何がどこにあるか探せないデータになりましたね」
「他人から見て、それがどう見えるか、あるいは、事務所としてどう反応すべきか、という判断力は欠如していたような…」
「そうでした…」

 私と面接担当者は押し黙った。
 やがて、

「では、△△さんはどうです? 一生懸命な仕事ぶりが印象的でした」
「確かに。でも、相手に地図を送る時とか、拡大しない詳細地図をそのままファックスして、相手にまっ黒な模様のファックスを届けたりとか、一生懸命だけど結局はそんなレベルの仕事でも役に立たなかったような…」
「そうでした…」

 また二人は押し黙った。

「あ!□□さんは? 事務所の皆とも仲良くやれていたし」
「でも、失敗したとき上司に逆切れする手に負えない性格だった記憶が・・・」
「・・・そうでした」

 面接担当者によると、今すべき優先順位が判断できる賢い人がほしい。ただ、賢すぎると早々に独立してしまうから、ほどほどな人がほしいのだが、その、ほどほど、がいない、ということだった。

 面接をしていて気付くのは、覇気や主張のないタイプか、とても性格のよろしくないタイプにおよそ二分できるのだそうだ。

 ほどほどに優秀で、やる気に満ちた若者はどこにいるのか…。

「遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」」のバックナンバー

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「「完璧な偽物」の“やる気”と“意欲”」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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