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国債利回りに影響を与える金融財政政策

日銀の政策金利と国債の需給関係がポイント

  • 高田 創,柴崎 健

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2010年11月22日(月)

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 今回は国債金利に影響を与える要因を考えることにする。なかでも、金融・財政政策の影響を考える。国債市場は一般的な経済・金融環境に加え、金融・財政の政策要因が総合的に加わって変動する。しかも、最近は日本国内の要因に止まらず、海外の経済や政策動向も国債市場に大きな影響を与えている。以下ではそれぞれの項目がどのように影響を与えるか考える。また、国債金利水準を考える上での目安も考えることにする。

1990年代に入って低水準が続く長期金利

 まず、多くの人々が素朴に考えるのは、日本の長期金利はどうしてこんなに低いのかという点だろう。そもそも、多くの国民は日本の長期金利、例えば最も多くの残高がある10年国債の金利水準がどの程度かも知らないことが多いのではないか。今でも、日本の長期金利は5%や6%の水準だと思っている人もいるのではないか。筆者がたまに、金融市場業務以外の方々がおられるセミナーなどで、「現在の日本の長期金利(10年金利)の水準はどのくらいですか?」とたずねても、多くの人は全く水準感をお持ちでないことに驚くことがある。

 筆者はこの連載で、「金利は経済の体温だ」と議論したことがある。その関連で言えば、長期金利の水準は体の状態を見る上で最も基本となるものだ。しかし、現実には、多くの方々はその「体温」を認識していない。毎日のテレビ報道でも、米国ニューヨーク市場での前日の為替や株式の動向は報道しても、長期金利を伝えることはない。

 日本の長期金利は5%や6%の水準だと思っているのは比較的シニアな層の方々だろう。筆者の一人である高田の年齢は52才だが、筆者が初めて日本の国債市場に従事した1980年代半ば、日本の10年長期金利は6%程度が平均的とされていた。

 その前後の世代にとって、長期金利の水準は5%以上に目が慣れていたのも当然だろう。いっぽう、20代の若手層にとっては、ほとんど物心が付いたころから金利は下がり続けていた。長期金利の水準は1%台が目安になっている可能性が強いだろう。

デフレが日銀の政策金利を低く抑えていた

 それでは、1980年代まで5~6%にあった金利水準が、1990年代以降一転し、急速に低下したのはなぜだろうか。次図は、過去40年の長期金利の水準を、日銀が金融政策として定める政策金利であるO/N金利(翌日物コール金利)と、10年国債の利回りとO/N金利の差である長短金利差で振り返ったものである。

 ここで、長期金利の水準を考えるうえで、基本的な概念を示すことにする。
 10年長期金利の水準を以下の2要因に分解すれば、

10年長期金利 =O/N金利+(10年国債利回り-O/N金利)
  =短期金利+長短金利差

 と考えることができる。

 ここで、1990年代以降の長期金利が低下していたのは、O/N金利が低下していたことが原因であったことが分かる。逆に長短金利差は、1990年代前と比べて比較的高水準が続いていた。

画像のクリックで拡大表示

 政策金利であるO/N金利は日銀が定めるが、その判断の基本は物価水準がベースになる。すなわち、1990年代以降の低金利は、日銀の金融政策に伴う政策金利の低下、O/N金利の低下によるものであり、その背景には物価動向、またはその見込み(期待インフレ)の下落があった。つまり、日本のデフレ状況を反映したものだった。

 今日の日本の長期金利が低いのは、物価が低く、その結果、政策金利が低かったことによる面が大きい。

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