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金融機関に狙い撃ちされる個人資産を守れ

「門番」が投資家を窮地から救い出す

  • 荒井 裕樹

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2010年11月22日(月)

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 年俸4億円超という訴訟弁護士の仕事を捨てて投資家に転身する──。2年前にこう決意した荒井裕樹氏が最初に取った行動。それは、米国のビジネススクールに留学して、金融工学を学ぶことだった。

 渡った先は、世界の金融の中心地であるウオール街があるニューヨーク。そこで荒井氏が目の当たりにしたのは、世界で日本経済のプレゼンスが低下しているという厳しい現実だった。

 「何とかしなければならない」。危機感を強めた荒井氏は、カネの流れを変えることによって日本経済を再興することを志す。そのためにまず何に取り組むべきなのか。具体的なアクションを語る。

 「こんなはずじゃなかった。何が起きたのか分からない。どういう解決策があるのかも、見当がつかない」

 日本中の個人資産家や中小企業の経営者の多くが、米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけにして起きたリーマンショックの前に購入したデリバティブ(金融派生商品)について、こうした悩みをいまだに抱えている。私が共同経営する投資顧問会社の顧客にも、同様の悩みを抱えて苦しんでいる方が少なくない。

一定規模のファンドでなければ、影響力を持てない

 カネの流れを変えることで日本経済の再興を目指す。前回にこう書いたが、何から手をつけるべきか。まずは、カネの流れを変えるために、金融市場で影響力を持つことが必要だ。それにはずばり、規模の面で一定の存在感を発揮しなければならない。多くの投資家から信頼を得て、多額の資産の運用を任せてもらうことが求められる。

 では、どうやって投資家からの信頼を得るのか。

 顧客が直面している今そこにある危機を、顧客と同じ目線に立ち、誠心誠意を尽くして一緒に解決しようとする以外にない。これは、弁護士であろうが投資家であろうが、ほかのどんな職業であろうとも、顧客の信頼を勝ち取る唯一の道であろう。

 私が弁護士としてお付き合いした顧客は、オーナー系企業が圧倒的に多かった。そこで、カリスマ的な経営者が即断即決で経営判断を下し、すぐに行動に移していく姿を目の当たりにし、その人間的な魅力に心を引かれた。そして、いつか自分も、単に法律の面からビジネスにかかわるのではなく、経営判断やビジネスジャッジメントをやってみたい、と強く思うようになった。

 ちなみに、米ニューヨーク大学スターン経営大学院への留学を私に勧め、支援してくださった方も、弁護士時代の顧客である某オーナー系企業の創業者だった。こうした創業者の方々に信頼してもらえると、法律以外の面でも仕事を依頼していただける可能性が高い。

 従って、弁護士から投資家になる転身を決心した後、まず着手すべきことは、単に法律顧問たる弁護士としてだけではなく、投資顧問としての能力についても信頼を得ることだった。そのために、顧客から寄せられた資産運用や経営判断に関する相談に応じて、一つひとつ実績を積んでいった。

※投資顧問

 投資に役立つ情報を提供したり、具体的な投資案件に対して助言したりする役割を担う。投資家に金融商品を販売する金融機関とは独立していることがポイントになる。

 幸い、私が共同経営する投資顧問会社は2005年の創業以来、多くの富裕層を顧客として投資顧問業を行ってきており、様々な資産家との接触があった。実際、米国留学中も、昼間はビジネススクールに通学しながら、日本では日中に当たる夜間には自宅で電話やインターネットを通じて顧客から依頼された仕事をこなした。

 また、ビジネススクールでは、学生が就職活動をするための長期休暇が多い。夏・冬・春の年3回の長期休暇の際には、日本に戻ってできるだけ長く滞在し、普段は直接会えない顧客などに面会して信頼関係を築くことに専念した。地方にもよく出張して、顧客に会った。

日本の投資家が置かれた悲惨な状況

 そうした仕事を通じて、顧客の投資環境を観察した。すると、冒頭に書いた通り、日本の投資家は、悲惨な状況にあることが次第に明らかになってきた。

 典型な例を挙げよう。中小企業の経営者について言えばリーマンショックで大きな含み損を抱え、その影響で本業の業況まで悪化し資金繰りに窮しているというケースが数多く見受けられる。

コメント4件コメント/レビュー

某日、日本を代表する銀行のプライベートバンキングの顧客室に通され資産運用の説明を受ける機会があった。期待して待っていると現れたのは同行の制服を着た女子社員であった。勧められたのは外貨建ての優良な債券を複数組み合わせた分配型の長期運用の商品であった。為替や元本などに対するリスク説明が終わると貴方にとってこれ以上の商品は無いと購入を迫る。結局勧めを振り切ったがそれは銀行が債券売却益を積み上げているとの新聞記事を覚えていたからだ。荒井氏のご指摘の通り世界経済が正循環に戻ればこの商品は元本を大きく割り込むだろう。その後も熱心な勧誘が続いている。(2010/11/25)

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某日、日本を代表する銀行のプライベートバンキングの顧客室に通され資産運用の説明を受ける機会があった。期待して待っていると現れたのは同行の制服を着た女子社員であった。勧められたのは外貨建ての優良な債券を複数組み合わせた分配型の長期運用の商品であった。為替や元本などに対するリスク説明が終わると貴方にとってこれ以上の商品は無いと購入を迫る。結局勧めを振り切ったがそれは銀行が債券売却益を積み上げているとの新聞記事を覚えていたからだ。荒井氏のご指摘の通り世界経済が正循環に戻ればこの商品は元本を大きく割り込むだろう。その後も熱心な勧誘が続いている。(2010/11/25)

外資系投資銀行で働いていた時のことですが、「日本の銀行は、外資系投資銀行と対等に競走出来るだけの能力はない」と上司に言われたことがあります。リーマンショックの後の不動産価格下落の際にも、私が勤務していた銀行は資金回収済みでキャシュポジションを高めていました。手数料の鞘抜きで生きている日本の金融機関には太刀打ちできないのが現状かと思われます。(2010/11/23)

アメリカの有名な資産家の名言を岩波文庫より「人を使っていながら監督を怠るのは、財布の口を開けたままで、その前においておくようなもの」「忠実な召使が欲しくば、自ら自身の召使いになれ」(2010/11/22)

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