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テスラはアマゾンになれるか

2010年11月22日(月)

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世界進出を加速する米EV(電気自動車)ベンチャーのテスラ・モーターズ。日本の直営店オープンには、トヨタ自動車の豊田章男社長も駆けつけた。財務に課題もあるが、日本メーカーと米政府の支援を受け、成長を目指す。

 米EV(電気自動車)ベンチャーのテスラ・モーターズは、11月12日、東京都港区南青山にアジアで初めての直営店をオープンさせた。同店に真っ先に姿を現したのは、意外な人物だった。

 朝11時過ぎ、入り口前に横づけされた黒塗りのミニバンからジョン・ルース駐日米国大使が降り立った。

 翌日からアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会談が横浜市で開幕する予定で、バラク・オバマ大統領ら米政府の要人が続々と来日。目が回るような忙しさの中で、ルース大使が小さなベンチャー企業のイベントに、わざわざ駆けつけたのはなぜなのか。

 「メードインUSAのEVが日本で成功することを期待している」。ルース大使は、出迎えたテスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)にこう話しかけた。オバマ政権は5年間で米国の輸出を倍増させる目標を掲げる。

 だからこそ、EVで期待される米国企業の日本進出をサポートしようとルース大使は考えたようだ。

トヨタ社長が試乗して「大好きだ」

米テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEO(左)から、EVの「ロードスター」をプレゼントされて喜ぶトヨタ自動車の豊田章男社長

 その1時間後に登場したのが、トヨタ自動車の豊田章男社長。5月にテスラに出資し、EVを共同開発する。豊田社長は、テスラのEV「ロードスター」をマスクCEOからプレゼントされた。

 豊田社長は上機嫌でロードスターに試乗。「(オープンカーなので)ヨットに乗っているように自然と一体になれる感じがいい。加速が素晴らしく、このクルマは大好きだ」と称賛した。  夕方には、同じくテスラに出資するパナソニックの電池部門であるエナジー社の野口直人社長も登場した。

 日本を代表する自動車と電機の両巨人に加え、米政府をも動かすテスラ。実は2003年創業の小規模なベンチャーにすぎない。社員数は800人で、販売したEVの数は1300台超だ。

 しかしEV業界で、テスラは台風の目になっている。技術のユニークさが1つの理由だ。心臓部の電池には、EV専用電池の半額以下とされる「18650」というノートパソコン用のリチウムイオン電池を使う。さらにレアアース(希土類)を使う永久磁石方式ではない誘導モーターを採用。ロードスターの加速性能は停止状態から3.9秒で時速100kmに達し、1回の充電で約394km走行する。

 ロードスターは日本での価格が1276万円と高額だが、最大324万円の補助金を受けられる。2012年半ばには約5万ドル(約412万円)のセダン「モデルS」の生産開始を予定。当初の販売予定は年間2万台だが、ほかの車種も投入し、「年間20万台以上を販売するEVの量産メーカーを目指す」とテスラのマスクCEOは宣言する。今年12月に376万円のEV「リーフ」を発売する日産自動車の目標に迫る規模だ。

 テスラの野望は大きいだけに、莫大な投資が必要になる。モデルSの開発には、4億ドル(約330億円)がかかるとされる。そのため同社の業績は厳しい。2010年1~9月期は、売上高8046万ドル(約66億円)に対し、純損失は1億297万ドル(約85億円)だった。

 とりわけキャッシュフローに課題がある。同期間の営業キャッシュフローは9353万ドル(約77億円)、投資キャッシュフローは1億7175万ドル(約142億円)のそれぞれマイナスだった。

 それでもマスクCEOは「開発に必要な資金については手を打っている。テスラが目指すのは長期的な成功だ」と強調する。実際、今年6月の株式公開で1億 8884万ドル(約156億円)を調達したほか、5月のトヨタの出資で5000万ドル(約41億円)、11月のパナソニックの出資で3000万ドル(約 25億円)を手に入れた。テスラにはこのほか、独ダイムラーも出資する。

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「テスラはアマゾンになれるか」の著者

山崎 良兵

山崎 良兵(やまざき・りょうへい)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス編集部、ニューヨーク支局、日本経済新聞証券部などを経て、2017年1月から日経ビジネス副編集長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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