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四角いケーキが友を呼ぶ

中国発!ビジネス最前線

2010年11月22日(月)

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おいしいケーキが少ない中国で高級宅配ケーキ事業を展開。知名度はないが、味を重視し、口コミで潜在顧客を掘り起こす。2010年の販売は、昨年の倍以上である50万個を見込む。

 北京市内のあるオフィスの会議室。昼休みに女性従業員が集まり、うれしそうに色とりどりのケーキを次々と平らげていく。ケーキはすべて無料で、おいしいと思ったら友人に勧めればよい。その友人が後日、自分の勤務先でも試食会の開催を希望すれば、同様に無料ケーキが振る舞われる。こうして顧客の輪が広がっていく。

 口コミのネットワークを生かして新しい潜在顧客を次々と獲得、売り上げを急拡大させているのが「21cake」というブランドでケーキの宅配事業を展開する廿一客食品(ニェンイーカァシーピン)(北京市)だ。試食会でケーキを無料にて提供するのは味に自信があるからだ。同社によると、試食した顧客の1割が3カ月位内にケーキを買っているという。

 創業者の姚磊(ヤオレイ)氏の両親はパン屋やケーキ屋に小麦粉などの材料を販売していたが、将来に不安を感じていた。中国にはおいしいケーキが少なく、誕生日のケーキでさえ食べずに捨ててしまう家が少なくなかったからだ。姚磊氏は、「おいしいケーキを広めれば、中国のケーキ産業の水準を高められる」と考え、2005年に同社を創業した。

 ケーキを宅配で売るという発想は、逆境を克服するために生み出された。姚磊氏は当初、有名百貨店への出店を望んでいたが賃料が高いうえ、創業間もない同社に門戸を開く百貨店はなかった。そこでインターネットで注文を受け付け、顧客の自宅やオフィスに直接商品を届けることに決めた。

 当初は広告を打って顧客を獲得しようと考えたが、思ったような効果を得られなかった。中国では広告やマスメディアに対する信頼が低く、評判が確立していないケーキを注文してくれる人が少なかったからだ。そこで創業者の妹で現在COO(最高執行責任者)を務める姚彧(ヤオユゥ)氏の発案で、ケーキの無料試食会を始めたのだった。

 勝算はあった。中国の若い世代、とりわけ「90后(ジョウリンホウ)」と呼ばれる1990年代生まれの世代はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で日々の出来事や思いを頻繁にやり取りしている。同社の狙い通り、おいしいケーキの話題は瞬く間に若い女性の間で話題となった。

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「四角いケーキが友を呼ぶ」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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