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「聞き取れず、話せない」典型的な日本人の英語攻略法

自分なりの「最適の勉強法」を見つけよう

  • 河合 江理子

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2010年11月30日(火)

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 以前に本コラムで書いた「TOEICの試験では、本当の英語力は分からない」を、大久保亮さんというBIS(国際決済銀行)の元同僚が読んでコンタクトしてくれた。大久保さんは現在、日本の保険会社で国際関係業務の担当を務めており、各国の金融・保険制度の調査や国際基準への意見表明などを当然ながら英語で行っている。その語学力というと、英語で交渉するほど高度なものである。

 そんな大久保さんが、「大学までは受験英語は得意だが、しゃべること、聴くことが苦手という典型的な日本人だった」という話を明かしてくれた。大学を卒業して入社する際に、TOEFL(Test Of English as a Foreign Language=外国語としての英語テスト)を受験した。典型的な受験英語で勉強したおかげで、ライティング(書き取り)の試験は全問正解を記録。ところが、リスニング(聞き取り)の試験の得点は、なんと43点だったそう。これは偏差値での評価だから、要するに平均以下という結果だったというわけだ。相手が何を話しているのか、分からなかったという。

 これでは議論はできない。いったい大久保さんはどのようにして国際社会で発言したり、堂々と議論したりできるようになったのであろう。そこで、英語攻略法を披露してもらった。

 まずはTOEFLでなぜリスニングができなかったのかを考えた。そして、音では聞こえていても日本語と英語の語順が違っており、脳における情報処理の仕方が異なるという点に思い至ったという。例えば、「私は今日の午後、テニスをすることができない」という表現。英語では“I cannot play tennis this afternoon. ”となる。しかし、日本語の語順そのままに英語に置き換えると、“I this afternoon tennis play cannot. ”となる。

 大久保さんは英語のネイティブに、“I this afternoon tennis play cannot. ”と話しかけてみた。相手は呆気にとられている。当然と言えば当然だが、全く通じない。

 そこで、この語順の違いを自然に情報処理できるように脳を慣らさないと、いつまで経っても英語を理解できないというふうに考えた。そのために、まずは英語の語順に慣れることに力を注いだ。具体的には、日本語でも英語の語順で話してみるといった奇抜な発想だ。「私は できない することが テニスを 今日の午後」という具合だ。

 これによって、大久保さんは英語の語順に慣れていったという。だから、英語を勉強している人には「まず日本語でその語順で話してみろ」とアドバイスしているそうだ。苦手のリスニングを克服した大久保さんの現在のTOEICのスコアは985点(満点は990点)である。

語順に慣れれば、大意は分かる

 英語の語順で話す言語は、フランス語やスペイン語、中国語など多くが同じグループに属す。主語の後に動詞という構文である。

 これは全くの推測だが、一度違った語順に脳が慣れてしまえば、「変な情報」と脳が拒否せず、素直に受け入れるようになるのではないだろうか。だから、私は英語を覚えた後は、フランス語などほかのヨーロッパ言語が簡単に身についたのかもしれない。逆に、英語の会議に参加していると「頭が痛くなる」とおっしゃる方が多い。違った語順を聞いているうちに、脳が拒絶反応を起こしてしまっているのではないだろうか。

 私も米ハーバード大学に留学した最初の年は、授業中に眠くなるぐらい、本当にひどい疲労感に襲われていた。90分間の授業では、最後は集中できず、ノートもとれない状態になる。奇妙な語順と新しい単語を理解しようと、頭脳がフル回転していたのだと思う。そのうえに、新しい理論も学ばなければならない。

 日本からヨーロッパやアメリカでの国際会議に出張すると時差とともに、英語の情報処理というモードに頭をリセットしないといけない。この意味では、日本人は二重苦を味わうわけである。

 それでもいったん、英語の語順に馴れてしまえば、一つひとつの単語が分からなくても、大体の内容はつかめるようになる。もし日本語であれば会話の途中にひとつやふたつぐらい、知らない語彙が出てきても、全体の流れからなんとなく想像し、あまり気にしないだろう。それが英語の場合は一つ分からない単語があると、そこですべて理解できないと感じることもある。語順の違いに戸惑ってしまい、文意を解釈する力が弱っているのかもしれない。

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