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ウィキリークスの打撃、アメリカは日本を見捨てる余裕さえもない!

閉塞感が募るオバマ外交の現状評価

2010年12月3日(金)

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 日本をはじめ世界各国で話題を提供しているウィキリークスだが、第3弾は話題だけでは済まなそうだ。今まではパキスタンやアフガニスタンなどでの裏工作について、誰もが薄々分かっているような、言わば準公開情報の暴露が中心だった。

 第3弾はアメリカの国益を直撃するような、重要な同盟国に対する“秘密評価”を含む非常にセンシティブな重要情報の公開となる可能性が高い。ヒラリー・クリントン米国務長官はじめ、アメリカ政府高官が火消しに走っている様子からは、アメリカが同盟国ネットワーク維持強化にいかに腐心しているかが垣間見える。

 外交は相手があることなので相手の手の内を読むことが先決で、そのためには相手の手口の背景を分析することが第一歩だ。それなのに、日本では暴露情報の内容ばかりに関心が行き、その背景を読むような報道は皆無のようだ。そして背景を読めないような報道が相次ぎ、少々滑稽に感じることがある。

 北朝鮮の砲撃のニュースは、こちらでも大きなニュースになっている。日本の報道をフォローすると「アメリカは日本を守ってくれるのか?」とか「日米関係は危機的だ」とか、全く的外れに思える。「日米関係が悪くなる?」「アメリカが日本を見放す?」。そんなことはあるはずがない!

 識者と自称もしくは他称している方々は、何かのポジショントークなのだろうか? そうでなければ、相手の立場や相手の身内の中で何が起こっているのかを冷静に見る訓練が欠けているのだと思う。

 分かりやすい例が、G20(20カ国・地域首脳会合)やAPEC(アジア太平洋経済協力)を含めたバラク・オバマ米大統領の長期のアジア外遊についてのアメリカにおける報道。ニュース専門局の「CNN」でも「FOXニュース」でも、「オバマはバディと呼び合うような友人がアジアにいないのではないか?」「中間選挙という折り返し点を過ぎても見えてこないオバマの外交原則のなさと外交経験の未熟さは、米国の国益にならない」との論調が展開されていた。

「オバマは予備選から出直せ!」の声

 確かに、現在の菅直人政権の外交手腕には、目を覆うばかりだ。失策が多く国益にダメージを与えていると思う。しかし、そんなことはアメリカの眼中にはない。

 まず、アメリカはそんなことに構っていられないくらい、自国の外交に行き詰まり感を持っている。次に、同盟国ネットワークがあって、はじめてアメリカはアメリカ足り得るのだ。自らその重要な基盤を絶つようなことをするわけがない。ましてや、その中で最も価値観も経済的利益も共有している日本を見放すことがあるわけがない。

 アメリカ外交の行き詰まりについては、オバマだけの責任ではないと思うが、打つ手がないアフガン、パキスタン、イランがいい例だ。加えて、低迷する自国経済、ギリシャ、アイルランドと来て、EU(欧州連合)のGDP(国民総生産)で約1割を占めるスペインが危ないと言われている。

 オバマ政権の優先課題は、国内経済、アフガン情勢、イラン、欧州経済、そして次が今回の北朝鮮情勢という感じだろう。北朝鮮情勢も安全保障上の問題というより、ミサイルが飛んでくるわけでもない東海岸では、直接の脅威になりえない。このため、「欧州経済も自国経済もいいニュースがない中で、世界経済で唯一好調なアジア経済に水を差さないでくれよ」と経済的インパクトとして大きく取り上げていたくらいだ。

 米軍基地問題で、民主党政権の対応が一貫性を欠くことは日本人として誠に情けない。だが、ポピュリズムを煽りながら政権に就いたものの、公約を果たせていないのはオバマ政権も一緒である。こうした状況で、オバマ政権が日本政府だけを苦々しく思っているとは考えにくい。そもそも、アメリカ国民は日本の米軍基地問題などほとんど誰も知らないし、その問題をこちらが取り上げても「公約を果たせない政権は、アメリカのほうだよ」と自虐的な返事が返ってくる。

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「ウィキリークスの打撃、アメリカは日本を見捨てる余裕さえもない!」の著者

田村 耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

前参議院議員

早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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