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そんな経済対策なんか要らない

森精機社長が直言[2]インフラ整備し海外資本を呼び込め

  • 谷口徹也

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2010年12月7日(火)

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―― 工作機械は、あらゆる産業のベースになる設備です。今、世界の需要はどのように動いているのでしょうか。

森精機製作所の森雅彦社長(写真:早川俊昭、以下同)

 需要が強いのは、各国の政策がらみの分野でしょうね。水、石油、エネルギーなどに関係する部分です。具体的な例としては、ポンプ関連の盛り上がりがすごいことになってます。水や石油を扱う設備では必ず使われますし、上下水道から農業の灌漑設備、石油化学まで範囲が広い。あと、発電用のタービンも有力分野です。

 もう1つは交通でしょう。自動車関連が強いし、鉄道や航空機のエンジン周りも需要が旺盛です。そして、医療や精密、金型といったところです。

―― 国や地域によって、分野にばらつきがあるのでしょうか。

 いいのは米州ですね。まずエネルギー関連が良くて、自動車も復活してきている。それから発電や鉄道といった社会インフラもある。米バラク・オバマ大統領が重点政策として環境関連産業を拡大しようとしているのが効いています。あとは、カナダ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンあたりがものすごくいい。

 アジアでは、タイが自動車、インドネシアが二輪車と水関係、シンガポールが光学系や航空機関連、そして半導体です。世界の大手メーカーが研究開発センターなどを作る動きが追い風になっています。マレーシアも半導体ですね。

 韓国は自動車や金型。台湾が半導体関連や一般産業機械です。そしてオーストラリアがエネルギーをメーンに、自動車と一般産業機械という具合。インドと中国は何でも良し、という感じ。市場や分野が、うまくばらけている印象です。

―― そう俯瞰してみると、日本市場の低迷ぶりが逆に目についてしまいます。

 まあ、今、日本で商売してもあまり楽しくないですよね。暗い話や自己批判ばかりで、なんかスカッとしない。根本には独特の体質があるのかもしれません。イジメ的、内向きですよね。

 ビジネスにしても、他人に自慢するためにお金持ちになりたがっているように見えます。そして、楽しくやることが罪悪であるかのような雰囲気もある。ちょっと変わったことをやろうとすると袋叩きに遭う。それがスパイラルになっているのが、背景ではないでしょうか。

電線を全部地下に埋めろ

 森精機は独ギルデマイスター(DMG)と組んだじゃないですか。そうしたら「栄えある日本の工作機械メーカーが、敵であるドイツのメーカーと組むとは何ごとか、お前はどちら側に立ってるんだ」と、面と向かって言わないまでも、そういう目で見られているのを感じます。以来、国内の同業からはあまり声がかからなくなって、異端扱いですよ。こちらにしてみれば「日本とドイツ、両方に立ったらダメなんですか」って感じなんだけれども(苦笑)。

 反対に、米国や欧州の同業の人は「(DMGとの提携は)面白い!」と言ってくれるし、「よかったらオレも入れてくれ」と言われたりして、反応が前向きです。

―― 景気回復が実感できないから、発想が後ろ向きになるのではないですか。ここは政府に経済対策をしっかりやってもらわないといけませんね。

 いや、経済対策なんてしていただかなくて結構ですよ。それよりも、日本のインフラをしっかり整えることに力を入れてほしいですね。

 今、やるべきことは何か、それは明確です。お金をたくさん使って為替介入するくらいなら、将来につながる教育にお金をかけるとか、電柱をなくして電線を全部地下に埋めるとか、した方がいい。儲かってない病院をお年寄りが住める施設として再整備するとか、国道は最低、片側何車線で歩道の幅は最低何メートルにするとか、やることはいっぱいありますよ。

―― 電線を全部地下に埋める?

 そう。私が言っているのは、日本が資本を呼び込める国にならなければならないということです。都市計画をもっとしっかりやって、シックで渋い街に作り替える。ただでさえ、世界の中でも税金が高いのに、さらに街も汚くて、では来てくれません。

 だから、まず外国人が思わず来たくなる国にする。そして、もっと土地や建物や会社を買ってもらう。土地の所有権が移るのが問題ならば、シンガポールのように土地をいったん国などが買い上げて使用権だけを売り、それを売買してもらう形に変えてもいいでしょう。

―― 公共投資拡大となると、ただでさえ苦しい財源問題に突き当たります。

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