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「寿退社」に踏み切った“イクメン”たち

子育てを選んだ20~30代男性のケース

  • 小林 美希

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2010年12月6日(月)

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 介護(参照「介護業界で“男の寿退社”が相次ぐワケ」)や保育業界では低賃金がゆえに現代版「男の寿退社」という現象が起こっているが、これは特定の業界の話でもなくなってきた。長時間労働や転勤もまた、結婚や出産適齢期の男女にとって人生や生活設計そのものを狂わし、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を崩す究極の障壁となっている。

 こうした局面に出くわし、女性のキャリアを活かし、男性が退職を決断する「男の寿退社」とも「男の寿転職」とも言える現象が出てきている。特に、パートナーとなる女性が看護師の場合、比較的多いと言えそうだ。

正社員は諦めざるを得ない

 コンサルティング会社に勤めていた海野秀之さん(仮名、37歳)は、飲食業を中心にしたコンサル業務をしていたが、結婚を機に超長時間労働となっている人生を見直した。

 秀之さんの日常は、朝早くから深夜まで、まるで「24時間、戦えますか」状態だった。担当分野のクライアントには朝早く営業する喫茶店から深夜や明け方まで開店している居酒屋まで様々な業態があるため、相手の都合によってアポイントが入っていく。

 居酒屋業界は、本来は店長や責任者は昼間に時間ができるはず。だが、ランチで売り上げを増やそうとすると、ランチの仕込みなどで手が放せない。深夜に客が減った頃を見計らって営業したり、閉店後に飲みに付き合ったりと、生活は不規則極まりなかった。

 それでも20代の頃は体力に任せて乗り切れたが、30歳を過ぎた頃からだんだんとうつ傾向になり、自律神経失調症にかかって一度、休職。リフレッシュすると、すぐに職場復帰できたが、恋人との結婚を考え始め、ふと「こんな状態で結婚生活が持つだろうか」と不安になった。

 恋人は看護師。病院に勤務しているために夜勤があり、彼女もまた不規則な生活を強いられる。「2人ですれ違いの生活になっては、子どもができた時に良くない」と、転職を考えるようになった。

 恋人の影響を受け、医療の現場に興味を持った。看護師などの免許を取得するために専門学校に入り直すには時間がかかりすぎると、介護職の道を選び、ヘルパーの資格を取得してすぐに結婚した。

 全くの異業種への転身。その世界に入ってみると、それまでの数字を追いかけてばかりのコンサル業務とは違い、人間味あふれる環境が待っていた。年収は約300万円と前職と比べ半分以下となったが、妻との共通の会話も増えた。

 結婚してすぐに子どもを授かったが、産後すぐに妻は職場復帰せざるを得なくなった。勤務先では人手不足のため、「早く復帰して」と毎日のように看護師長から催促の電話がかかってくる。しまいには「当てにならないのだったら、辞めてもらう」とまで言われてしまった。

 子どもをなんとか民間の認可外保育所に入れて凌いだが、環境の変化についていけず、子どもはすぐに熱を出す。「乳幼児を預けっぱなしは可哀想だ」と、子どもの面倒をみるため、秀之さんは入所型の介護施設から訪問介護に転職した。

 子育ての時間を奪われないようにと、登録型の非正規雇用を選んだため、仕事は細切れだ。秀之さんの収入はさらに下がってしまったが、遠方の実家の親は頼れず、やむを得ない。

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