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竹の義足で新興国開拓

中村ブレイス (島根県大田市、義肢装具・人工乳房などの開発製造)

2010年12月7日(火)

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義肢装具の市場で、世界20カ国から注文が舞い込む。地の利はなくても、技術力で世界を舞台に戦う。発展途上国を視野に入れ、素材から見直した新商品開発を続ける。

 2007年7月、日本初の産業遺産として世界遺産に登録された石見銀山。一度はユネスコから登録を見送られそうになった石見銀山の世界遺産登録に奔走し、今もなお石見銀山に関する古地図や文献を私費を投じて集め続けている1人の男がいる。

風情残る本社に面した通りで、従来の義肢と新たに挑戦中の竹義足を手にする中村俊郎社長(写真:伊達 悦二)

 中村俊郎氏。義肢や装具などの医療器具を主に取り扱う中村ブレイスの創業者だ。中村ブレイスは、石見銀山そびえる島根県大田市大森町に創業して今年で36年目。古き街並みが残る静かな町で、外反母趾や扁平足を矯正するシリコンゴムを用いた靴の中敷き、膝の負担を軽減するバンドといった装具から義肢関連製品まで幅広い義肢装具製品の開発、製造を手がけている。

量産と特注品の組み合わせ

 独自の販売網は持たない。全国の医療機関に納品する同業者と代理店契約を結び、販売を委託。営業社員を抱えず、あくまで開発と製造に特化している。2010年9月期の売上高は約9億円、経常利益は約1億3000万円。10年近く無借金経営を続けている。同社製品の愛用者は国内だけにとどまらない。これまで約20カ国へ出荷、現在では海外売上比率が約5%を占める。

 同社には、靴の中敷きや補強器具などを扱う義肢装具部門のほかに、1994年に新たに設立した「メディカルアート研究所」がある。人工乳房をはじめ、手術や事故などで身体の部位を欠損した人向けの人工補正具を製作する部門だ。しわや指紋、静脈など細部まで再現する技術力で生み出した人工の指や乳房などは、年間に400~500人から注文が舞い込む。

 義肢装具部門は黒字だが、メディカルアートの事業は、立ち上げから20年近く経とうとしている今も赤字部門だ。閉じればさらなる利益を生み出すことも可能だが、中村氏はこの部門を「健全な赤字部門」「必要な汗」と言う。それが研究所と呼ぶゆえんでもある。

 その果実は、顧客からの感謝の手紙として返ってくる。「待ちに待った私の分身を手に取った途端、うれしさといとおしさで胸がいっぱいになりました」といった内容だ。

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「竹の義足で新興国開拓」の著者

原 隆

原 隆(はら・たかし)

日経コンピュータ記者

宮崎県出身。お酒が好きです。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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