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世界を買い漁る? 中国国家ファンド「CIC」の実情

内部の軋轢や葛藤に直面しながらも突き進む

2010年12月8日(水)

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 「ストレートで正直な僕の性格は、今さら変えられないよ! 誰に対しても、私の使命のためなら、同じ態度でモノを言う。相手が国務院だろうが、共産党幹部だろうが、常に覚悟は決めている。そうでないと、こんな仕事はできないよ! ハハハ!」

 ここは米ノースカロライナ州ダーラム。米デューク大学が所有するゴルフコースを見晴らすレストランで、ネアカの中国人のきれいな英語での高らかな笑い声が響く!

約25兆円を運用する中国国家ファンド

 2兆ドル(約165兆円)を超える世界最大の外貨準備を保有する中国。そのうち、3000億ドル(約25兆円)を超える規模を運用する中国の国家ファンドCIC(中国投資有限責任公司)。

 そのCICを率いるのが、私の目の前にて、大声で笑う高西慶社長だ。「中国国家ファンドの動きは、秘密のベールに包まれている」とよく表現される。しかし、そんな神秘性とはほど遠いあけすけさで、高社長は何でも話す。数十兆円を世界中に戦略的に投資する責任者として多忙だが、充実する人生をそのオーラに感じさせる高社長。パワーを全身にみなぎらせている。常に笑顔いっぱいだ。

中国の国家ファンド「CIC」を率いる高西慶社長(左)と田村耕太郎氏

 高社長と私をここノースカロライナまで引っ張って来たのが、デューク大学ロースクールで行なわれたパネルディスカッション。メンバーが凄い! 世界最大級の中国国家ファンドCICの高社長、世界最強のプライベートエクイティ(PE)ファンドと言われるカーライル・グループの共同創業者であるデイビッド・ルーベンシュタイン氏、世界最大の投資運用会社ブラックストーンのトニー・ジェームズCOO(最高執行責任者)ら。

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 取り仕切るのが高社長と私の指導教官であったジェームス・コックス教授。コックス教授から「エール大学もいいけど、高社長も来るから、君も来たら嬉しいな」と招待を受け、私は喜んで飛んできた。高社長とルーベンシュタイン氏はデューク大学出身。それでこのパネルがデューク大学で行なわれることになったのだろうが、正確には、カーライルやブラックストーンへの最大の出資者である高社長が来るから、このメンバーがデューク大学に集まったのだと思う。

 ルーベンシュタイン氏は世界のPEへの資金供給源は、年金基金から新興国の政府系ファンドへ主役が移っていることを披露。将来その政府系ファンドがアメリカPEファンドから人材やノウハウを奪い、PE市場を牛耳るのではないかという危機感を覚えていることをパネルディスカッションで明かした。

 高社長からはCICと言えども、共産党や各省庁とはいろいろな課題があるようで、その生々しい様子も教えてくれた。本当に刺激的な時間を過ごすことができた。

投資決定をめぐる壮絶な戦い

 常に自信に満ち溢れている高社長だが、プライベートな2人きりのランチで私が感じたのは、国家ファンドとしての意思決定の難しさと内部のカルチャーギャップに苦悩している様子だ。

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「世界を買い漁る? 中国国家ファンド「CIC」の実情」の著者

田村 耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

前参議院議員

早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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