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日本人が「はやぶさ」という愛称に託すロマン

「速さ」と「強さ」と「技術」が紡ぐ物語

2010年12月9日(木)

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 2010年の重大ニュースを選ぶとして、多くの人が候補に挙げると思われる話題の一つに「小惑星探査機『はやぶさ』の地球への帰還」があると思います。6月13日、小惑星イトカワまでの長い旅路を終えた「はやぶさ」は大気圏に再突入。試料入りのカプセルを地球へ投下しつつ、自分自身は燃え尽きていきました。その姿が多くの人の感動を誘ったのです。

 いっぽう鉄道ファンならば、探査機とは別の「はやぶさ」も気になっているかもしれません。その「はやぶさ」とは、2011年3月に東京~新青森間で運行を開始する新幹線「はやぶさ」のことです。東北新幹線の終点が、去る12月4日に八戸から新青森まで延伸したのに伴い、2011年3月からこの愛称の新幹線が走ることになります。

 どうやら日本人は「はやぶさ」という名前に、何かしらのロマンを感じているようです。実際、過去から現在にかけて「はやぶさ」を愛称にした乗り物や装置などが数多く誕生しました。そこで今回は「はやぶさ」を愛称にする新旧の乗り物や装置などを紹介して、愛称に込められたロマンについて探ってみようと思います。

最大の特徴は「速さ」と「強さ」

 まず鳥の「ハヤブサ」について少し復習しておきましょう。ここでは生物学の慣例に従い、鳥のハヤブサをカタカナで表記することにします。ハヤブサとはハヤブサ科に分類される鳥の総称(学名はFalconidae)。またはその一種であるハヤブサを指します(学名はFalco peregrinus)。後者は日本の河川、湖沼、海岸などでも見かけることができます。

 ハヤブサの最大の特徴は、なんといってもその移動速度の速さでしょう。上空から降下する際の最大速度は、時速200キロから300キロはあると言われます。

 またハヤブサは、その鋭いツメとクチバシで小動物を捕らえて食べる習性も持っています。これはハヤブサとともに猛禽類に分類されているワシやタカなどにも共通する特徴です。猛禽類は、地域の生態系で頂点に君臨することも少なくありません。

 総じて言えば、ハヤブサの特徴は「速さ」と「強さ」にあると言って良さそうです。私たちがハヤブサに対して抱いている勇壮なイメージの源泉と言えます。

語源にも成り立ちにも「速さ」のイメージがある

 さて、そもそもの話。「はやぶさ」という言葉の語源は何なのでしょうか。これには諸説が存在するのですが「はやつばさ(早翔・早翼・速翼)」あるいは「はやとびつばさ(速飛翔)」などが変化したとの説が有力であるようです。やはり前述した「速さ」のイメージを踏まえています。

 いっぽう漢字の「隼(はやぶさ)」にも「速さ」のニュアンスが隠れているようです。まず「隹(とり)」は、尾の短い鳥という意味。「十」は細くまとまった様子を意味します。漢和辞典の「字通」(白川静著・平凡社)は、この「隹と十」の組み合わせについて「隹(とり)が足をすくめて迅(はや)く飛ぶ形」と説明しています。

 このように「はやぶさ」や「隼」には、その語源や成り立ちに「速さ」のニュアンスが伴っています。「はやぶさ」という言葉を「速い乗り物や装置」の愛称として名付ける感覚にも、納得できるものがあります。

「はやぶさ」は戦闘機やパイロットの比喩だった

 ここからが本題です。「はやぶさ」を愛称にした乗り物や装置には、一体どんなものがあるのでしょうか。

 おそらく「はやぶさ」の愛称が最も好まれているのは軍事の分野です。例えば旧海軍では「隼型」と名付けられた水雷艇(1900年竣工の『隼』など15隻)が存在しました。また現在の海上自衛隊にも「はやぶさ型」と名付けられたミサイル艇(2002年竣工の『はやぶさ』など6隻)が存在します。

 年配のみなさんの中には「はやぶさ」から戦闘機を連想される人が多いかもしれません。

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「日本人が「はやぶさ」という愛称に託すロマン」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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松﨑 曉 良品計画社長