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欧米が断言する、「日本みたいになりたくない!」

「莫大な債務」「長期のデフレ」に国家破綻の予兆

2010年12月16日(木)

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 いよいよ“日本問題”がアメリカで知れ渡ってきた。今までここ米国では「ブッシュ減税の延長問題」「中国の台頭」「欧州財政問題への不安」に隠されてきたが、逆にそれらが日本の問題を浮き彫りにしつつある。「莫大な債務を抱えたまま」「長期のデフレに苦しむ」という日本問題を!

 「日本みたいになりたくない・・・」と米国や欧州が恐れるようになって、日本の破綻が本気で議論され始めている。

 先日、とある格付け会社の幹部経験者を招いた集まりに招待を受けた。少人数でジョーク交じりに意見交換。そこで「格付け会社は信用しちゃいけないよ。格付け会社はお金を払ってくれる主体に忠実なんだ。格付けの費用は発行価格総額の数%。発行額が多いほど売り上げは増える。たくさん発行する主体に弱いんだよ。つまり日本政府は、国債の格付けを莫大な金額で買ってるのと同じなんだよ」との話があり、会場に失笑が漏れた。

 債務累積額に比べてまだ格付けが高く、金利が低い日本国債を皮肉ったジョークであろう(?)。日本の公的債務問題は、それだけ有名な話になっている。

「対GDP比200%の累積債務」に失笑

 私が所属する米エール大学マクミラン国際問題研究センターで、最近、興味深いセミナーがあった。パネリストは欧州通の3人。エール大学のEU(欧州連合)研究の大家、EUをカバーしている英有力紙「フィナンシャル・タイムズ(FT)」のドイツ人記者、欧州委員会の経済アドバイザーである。

 タイトルは「ギリシャ、アイルランド、そして次は誰だ」というものだ。誰がみても、次はポルトガル、スペイン、イタリアが来るのは明らか。従って、焦点は「最後の砦であるドイツは救済に乗り出すのか?」「ユーロは大丈夫なのか?」といった辺りになる。

 FTのドイツ人記者は、「ドイツ国内のEUに対する懐疑的な心理は強い。ドイツは国民投票で、過半数がEUに賛成したことがない。国内の既存各政党とも、EUに非常に懐疑的だ。メディアも今後の救済には批判的だ」とのデータを見せながら、「ドイツでは“借金は自分の罪だ”という考えがある。自国で尻ぬぐいさせるべきなんだ。今後も破綻寸前国家の救済にドイツ人の血税が使われるとなると、その判断をした政権は今後の国政や地方選挙で手痛いしっぺ返しを食らうだろう」と結論づけた。

 これは、今のドイツの正確な民意だと思う。最近の欧州メディアではユーロの崩壊を危惧する論調が目立ち始めた。ギリシア危機が大きく喧伝されたころでも、EUやユーロから主要国が離脱するような論調は、そんなに多くはなかった。ユーロの危機までには至らなかった。しかし、財政危機に収束の見通しが見えなくなってきて、鍵を握るドイツ国内の世論はさらなる負担への嫌悪感から、「ユーロなんて止めてもいいんじゃないか」となってきているようだ。

 英経済誌「エコノミスト」は直近で毎号のように、ドイツのユーロ離脱に警鐘を鳴らしている。ユーロから離脱することのコストを具体的に列挙しそれがいかに割りに合わないものかを強調している。ユーロに入っていない英国の経済誌で、常に“ユーロに批判的”であったにもかかわらず、大きく方向転換して「統一通貨ユーロ崩壊」を憂いている。

 欧州委員会の経済アドバイザーは「選択肢はないよ。ドイツが救わなければ、欧州の多くの銀行が破綻するだけだ。血税を他国の救済に使うことに対して、感情的な反発があるのは当然だ。それでも、救わなければドイツも含めて、多くの金融機関が倒れることになる。そうすれば、ドイツ人の預金やドイツ企業もやられるよ。どっちもいやだろうが、問題国家の救済をドイツはやらざるをえない」と断言。

 私も同感だ。手を挙げて「今からドイツマルクの世界に戻れるだろうか? ドイツが救済反対するなら、それはユーロの死を意味する。やるならユーロ離脱の覚悟でやらねばならない。そんなことしたら、ユーロは急激に信用を失い、大幅に通貨価値が下落する。新生ドイツマルクは暴騰し、ドイツの輸出産業は大打撃を受けるだろう。欧州各国からドイツへの資産逃避と不法移民が増え、それを恐れる各国が、逆にお金と人の移動の自由を制限することになる」と意見を述べた。

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「欧米が断言する、「日本みたいになりたくない!」」の著者

田村 耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

前参議院議員

早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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