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エコ船、秘策は「バブル底」

日本郵船が狙う「エコ合わせ技」、削減率69%メドに

2010年12月24日(金)

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 海上輸送は輸送量当たりのCO2排出量がトラックに比べ約4分の1と、環境負荷が比較的少ない。そのため、活用を推進する動きもある。しかし、世界全体で見れば、国際海運のCO2排出量は年間約8.4億トン。しかも、今後、新興国を中心に、国際海運による輸送量の増加が懸念されている。国際海事機関もCO2排出量削減を義務付ける方向で動いている。

 このような社会的要請の中、他に先駆け、船舶におけるCO排出量削減に取り組んでいるのが日本郵船である。そして、同社が2030年の完成を目指し、発表したのが、未来のコンテナ船「NYKスーパーエコシップ2030」だ。

NYKスーパーエコシップ2030
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 高くそびえるマスト。帆いっぱいに風を受けて進む帆船。その美しさから、「海の貴婦人」と呼ばれることもある。しかし、未来の船は、帆船とは大きく異なり、薄く平たい形をしているかも知れない。

 「船のCO排出量削減を追及した結果、たどり着いた1つの答えがこの船だ」。日本郵船・技術本部の左光真啓氏は「NYKスーパーエコシップ2030」の完成予想図を見せながらこう説明した。

 NYKスーパーエコシップ2030とは、同社の環境特命プロジェクトが、2030年の実用化を目指してデザインしたコンテナ船だ。左光氏は同プロジェクトのリーダーを務める。

CO2の排出量69%削減を目指す

 環境特命プロジェクトが発足したのは2008年4月。最終目標は、2050年までにCO2排出量ゼロの船舶を完成させること。そして、その中間目標として2009年7月に発表したのが、NYKスーパーエコシップ2030である。現在利用できる技術を総動員することで、既存のコンテナ船に比べ、CO2の排出量69%削減を目指す。

 海上輸送は輸送量当たりのCO2排出量がトラックに比べて約4分の1で、環境負荷が比較的少ない。そのため、活用を推進する動きもある。確かに国内海運のCO2排出量の占める割合は貨物と旅客の両方を合わせても国内全体の約1%に過ぎない。

 しかし、楽観はできない。世界全体で見れば、国際海運のCO2排出量は年間約8.4億トンで、約3%に相当する。しかも、今後、国際貿易の増加に伴い、新興国を中心に、国際海運による輸送量の増加が懸念されている。

 そのため、国際海事機関(IMO:International Maritime Organization)が、CO2排出量削減を義務付ける方向で動いている。日本でも、国土交通省が、2009年度より4カ年計画で、海運事業者に対し、CO2削減効果が期待できるプロジェクトを支援中だ。

 このような社会的要請をいち早く察知し、他に先駆け、船舶におけるCO排出量削減に取り組んでいるのが、日本郵船である。

船体の軽量化が大きなポイント

 日本郵船が「未来のコンテナ船」と称するNYKスーパーエコシップ2030の船体の上部は、荷役の際、布のようにクルクル丸めて収納することができる太陽光パネルで覆われている。船体自体は比較的幅広で、上面は凹凸がなく平らだ。

日本郵船・技術本部の左光真啓氏

 数本出ている昆虫の羽のようなものは帆だ。風を受けることで発生する揚力を利用して、推進力にする。荷役の時や風のない時などは、収納できる。

 このような船が、帆を収納した状態で海に浮かんでいれば、確かに巨大な板のように見えるかも知れない。

 左光氏は「コンテナ船のCO2排出量を削減するには、太陽光発電など自然エネルギーの導入も重要だが、特に大きな効果が期待できるのが、船体の軽量化だ」と話す。

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「エコ船、秘策は「バブル底」」の著者

山田 久美

山田 久美(やまだ・くみ)

科学技術ジャーナリスト

早稲田大学教育学部数学科出身。都市銀行システム開発部を経て現職。2005年3月、東京理科大学大学院修了(技術経営修士)。サイエンス&テクノロジー、技術経営関連の記事を中心に執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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