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内定が取れないのは、自己責任なのか?

就職氷河期に職を探す20代男性のケース

  • 小林 美希

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2010年12月27日(月)

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 来春卒業予定の大学生の内定率は、2010年10月時点で57.6%と過去最低を記録した。学生らは就職活動で苦戦を強いられている。

 「落ち続けて、なかば諦めモードに入っていた。年内の内定は無理かと思った」

 早稲田大学政治経済学部4年生の小峰裕也さん(仮名、25歳)は、12月中旬に内定を得たばかり。安堵のため息が出る思いだ。裕也さんは、現役で都内の有名私大に入学したが、政治や経済に興味を持ち、3年遅れで早稲田大学に入り直した。

説明会への交通費も重荷

 大学3年生の10月頃から不動産大手やデベロッパーを中心に就職活動を進めていた。エントリーだけでも200社に上る。そこから面接までこぎつけたのは約30社。エントリーシートを提出した段階で落ち続け、「3年の遅れが不利になっているのだろう」と思ったが、「けれど自分が選んだ道だから仕方ない」と気を取り直して就職活動を続けた。

 超就職氷河期に、競争は激化している。インターネットから会社説明会の参加を申し込もうとしても、告知が掲載されて1時間も経たないうちに満席となってしまい、門戸が閉ざされる。

 「これは情報戦だ」と確信した裕也さんは、いつでも情報をキャッチできるようノートパソコンを購入して持ち歩き、携帯電話もスマートフォンに買い替えた。パソコンに来るメールもタイムリーに受信できる。通信費は、月5000円ほどプラスでかかる。交通費も月2万円は必要になる。常に財布とにらめっこ。横浜や千葉の幕張で合同企業説明会が開かれると、思わず「交通費が高くつく・・・」とため息が出る。

 就職活動の初期に「中小企業なら受かりやすいのでは」と思ってはみたが、最盛期は大企業の企業案内が大量にネットで流されているため、中小企業の情報が埋もれてしまっていた。求人情報は流れていても、いったい、何人を採用するのか。裕也さんは企業の海外移転などのニュースを見るたびに「仕事そのものが国内からなくなっている」と肌で感じた。

 4年生の5月から6月にかけて大手の内定が出揃うが、裕也さんに「内定」の二文字はまだまだ遠い存在だった。焦りが出てくると同時に、「もう就職は無理なのでは」と弱気になった。いっそ公務員試験に切り替えようかとも思って、周囲の友人や社会人の先輩に相談したこともある。結局、自分には適さないと考え直して、粘って就職活動を続けることにした。

 夏を過ぎると、求人自体が大幅に減っていく。ようやく中小企業の求人が目に留まりやすくなった。カタカナの社名のベンチャー企業の求人も多く、「アルバイトから正社員へ」という謳い文句も目立つ。「最悪、バイトからでも正社員を目指せるか」と、自身を奮い立たせた。

 夏以降は1学年下の新卒採用の活動が始まってくるため、精神的に辛い時期を過ごした。それでも「この時期の求人になれば、年齢が不利にはならないだろう」と信じた。

 最終面接に漕ぎ着けた企業は6社程度。ダメモト精神でギリギリまで粘った甲斐があり、超大手ではないが、内定を得た中堅企業では希望通りのデベロッパー業務に携わることができることになった。

 筆者も超就職氷河期だった2000年に卒業。当時、大卒就職率が統計上初めて6割を下回り55.8%となった異常事態の最中での就職活動は裕也さんと同様に苦戦を強いられたが、あれから10年。不況は続き、小泉純一郎構造改革の頃から競うようなリストラがされ尽くし、人件費抑制が企業にとって当然の姿となった今の超就職氷河期はより厳しいものとなっているはずだ。

就職できても、安心はできない

 「まさかリストラに遭うなんて・・・」

 就職氷河期を潜り抜けて就職した寺田琢磨さん(仮名、24歳)は、社会人経験わずか1年で解雇された。

 就職活動はリーマンショックが起こる直前だった。不動産会社の賃貸保証を請け負う会社の大手に就職した。家賃の滞納などについてバックアップする仕事だ。居住者が家賃を滞納して家財道具を置いたまま行方不明になるケースなどで、残留物の撤去や明け渡し訴訟、引っ越しなどの費用などを保障する。

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