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歌詞の中の「電話」や「メール」はどんな恋愛を表現したのだろうか?(前編)

王道の「手紙と電話」、傍流の「ポケベルとファックス」

2011年1月4日(火)

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 「へこんでる時は 真っ先にメールしてくれる優しさに もう何度も救われて」。2010年12月31日、西野カナはNHKの紅白歌合戦に初出場を果たしました。冒頭の一節は、彼女自身が友人への想いを託して作詞した「Best Friend」(2010年2月発売)からの引用です。このようなJ-POP系の楽曲に、最近「メール」などの言葉が何気ない素振りで登場するようになりました。

 言葉は社会の鏡です。それと同様、言葉を「歌詞」としてつづる音楽もまた、社会の鏡と言えます。「歌詞の中にメールが登場する」ということは、「音楽のテーマとなる友情や恋愛などの場面にも実際にメールが浸透している」ということなのでしょう。

 では「手紙」や「ケータイ」などの通信手段は、「歌謡曲」や「J-POP」などにおいてどのように取り扱われてきたのでしょうか。とりわけポップスにおける最大のテーマである「恋愛」が、これらの通信手段とどう寄り添ってきたのかを探ってみることにしました。

 今回はその前編。恋愛にかかわる通信手段のうち、比較的歴史が古い「手紙」「電話」「ポケベル」「ファックス」について考えてみました。次回後編では、比較的に歴史が新しい「PHS」「ケータイ」「メール」「ネットとブログ」が登場する楽曲について分析します。

 なお歌詞の調査にあたっては、「歌ネット」などの歌詞検索サイトから得た情報を基本としました。もちろんこのようなサイトに登録されている情報が、日本のポップスの全体を表しているわけではありません。また以下に紹介する曲は、得られた情報のごくごく一部にすぎないことも書き添えておきます。

手紙(1)~戦地と田舎~

 数ある通信手段の中でも「手紙」は最も長い歴史を持ちます。もちろんポップスにおいても定番の小道具です。「歌ネット」で調べたところ、歌詞に「手紙」が登場する曲は1873曲、「便り」が登場する曲は410曲、「レター」が登場する曲は209曲ありました(注:「歌ネット」で検索可能な曲数は公称10万5000曲。この曲数は一般的な通信カラオケにおける収録曲数とほぼ同じ規模)。

 古いところでは、日本のレコード音楽における初期のヒット曲である佐藤千夜子の「東京行進曲」(1929年、作詞・西條八十)にこんな一節が登場します。「恋の丸ビル あの窓あたり 泣いて文(ふみ)書く人もある」。当時のトレンドスポットである丸ノ内ビルヂング(現・丸ノ内ビルディング)と絡めて、恋愛の小道具としての「手紙」が登場しました。

 その後の一時期、音楽の中の「手紙」は、恋愛ではない場面に登場することが多くなります。例えば戦時中に発表された田端義男の「梅と兵隊」(1941年、作詞・南条歌美)では、戦地に赴いた兵士から母への「便り」が登場します。戦時中の音楽ではこのような「戦地からの手紙」や「戦地への手紙」というモチーフがよく登場しました。

 また戦後しばらくは「都会に出た若者が田舎の家族や恋人などと交わす手紙」が定番のモチーフとなります。このパターンに属する曲には、春日八郎の「別れの一本杉」(1955年、作詞・高野公男)や、都はるみの「アンコ椿は恋の花」(1964年、作詞・星野哲郎)などがあります。ちなみに以上の2曲とも、遠距離のために叶わぬ恋を表現する場面で「便り」という言葉が登場しました。

手紙(2)~70年代以降は風景が多様化~

 1970年代以降は様々な「手紙」が登場するようになります。堺正章の「さらば恋人」(1971年、作詞:北山修)では別れの置き手紙が、ダ・カーポの「結婚するって本当ですか」(1974年、作詞:久保田広子)では別れた相手から結婚を知らせる手紙が、石川ひとみの「まちぶせ」(1981年、作詞:荒井由美、オリジナル作品は三木聖子による1976年のシングル曲)では、片思いの相手を振り向かせるために見せる「別の人がくれたラブレター」が登場します。

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「歌詞の中の「電話」や「メール」はどんな恋愛を表現したのだろうか?(前編)」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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