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100件以上の読者コメントに答える~「私たちはいつから“バカ”になったのか」

2011年1月6日(木)

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 1級小型船舶操縦士免許を有するヨットマンの企業幹部で私の友人は、前回のコラム「私たちはいつからバカになったのか」を読み、六分儀を使った自船位置測定法のことを思い出したそうです。

 かつて1級小型免許を取得するためには、天体観測による位置測定その他多くの手法を用いた測定実習を行い、必要があった。その理論的背景を学び実践することが求められていた由、次のようなメッセージを伝えて来ました。

 「大上さんの記事を読んで、企業経営や経済、社会のことなど、判っているようで改めて判っていなかったことを実感した。僕は、デジタルに提供される天気予報や海図の上にGPSで表示される自船や他船の位置を見て操船をしているだけの、地球の真実を知らないヨットマンが増えて来たことを苦々しく思っていた。しかし、企業や社会において沢山の短期データや短期的なトレンドの変化に一喜一憂する自分が、実はそのような存在であると自覚した。時計と分度器、それに磁石があれば、自分の位置や方向を知ることが可能になる。だからこそ、沢山のデータに惑わされることなく、原点に立ち天測的アプローチを使いながら自らの経営指針を考える事の必要性を、記事は改めて思い出させてくれた」

 筆者も1級小型免許を有していますが、残念ながらそのような六分儀の使い方を学んでいない新制度の資格者です。また、専門的知識を有する方や、碩学と呼ぶにふさわしい豊富な知識を有する方とは比べるべくもない、途上の身であります。

 それでも、前回のコラムで領土問題という硬派のテーマに、このような友人からのコメントに加え、沢山の真剣なコメントを頂いたこと、少なくとも提起した課題の設定は間違っていなかったのだ、と勇気づけられました。共に天測を学んでいくつもりで、これからもよろしくお付き合いをお願いします。

100件を超える読者コメントに対する返事

 皆さんからいただいたコメント、じっくり読ませていただきました。先ず改めて、100件を超える真剣なコメントを頂いたこと、私が投げた小石を契機に、多くの方々が領土問題を真剣に考えてくださった証左であり、かつそのような方々が沢山いらっしゃることを大変に嬉しく思っています。

 私が提起した内容に関する捉え方は、あくまで個人の考え方の問題ですが、このような課題提起を正面から行ったことに関しては、おおむね肯定的に捉えて頂いたようです。その中で、幾つか印象に残るものを取り上げた上で、コメントをさせていただきたいと思います。

【読者コメントから 1】

 いつからバカになったのか、ということでは1951年9月8日(サンフランシスコ講和条約)、あるいは平成のバブル経済(頂点は1990年1月の大発会?)を挙げて頂きました。また、教育問題、ITの普及、あるいはマスコミが私達をバカにした、というコメントも多く頂きました。

 これに関して、あらためて筆者も考えましたが、未だに明確な答えを得ていません。今までに一番ピンと来た答えは、財務省の知人から口頭で聞いた、「旧制高校出身者が一線を退いてから財務省がだんだんダメになって来た」というコメントです。

 あるいは、危機感が無い事が問題なのでしょうか? ただ、バカになったのは我々自身であり、やはりこのことを自分たち自身の問題として捉える事からスタートするのではないかという課題提起で、ここはひとまず議論を収束させておきたいと思います。

【読者コメントから 2】

「責任回避*他者依存*主体性欠如*横並び思考*不勉強=思考停止状態」

 という方程式を経営者の方から頂きました。微分方程式の独立変数、あるいは因数分解の項を発見することは、ファジーな状況をデジタル化する第1歩です。これらは、現代の日本において大なり小なり、上から下まで通して見られる現象ではないかと思います。筆者もこの方程式には、改めて多くの気づきを頂きました。どうもありがとうございました。

【読者コメントから 3】

日本という国のビジョンというか、大局的な目標と自らの立ち位置に関する前提を考えることが先ではないか、

 というご指摘も幾つか頂きました。

 おっしゃる通りであると思います。ただ一言弁解させて頂ければ、そのような内容について皆さんに考えて頂くための材料を提供するには、相当な時間と内容が必要であり、そのためには皆さんにも分厚い内容を読んで頂かなくてはなりません。

 果たして、最初からそのような内容を提示して、どれだけの方が思考の中に飛び込んで下さるでしょうか? あえて昨今話題のテーマの中で、このように日本の在り方を考える入り口として、領土問題を選択させて頂いたことを謹んで告白させていただきます。

コメント35件コメント/レビュー

大上先生のコラムを初めてみました。私は20年以上も日本に住む中国人です。先生の分析には大変興味がありますし、共感しています。中国のことは現地にいる日本人が持ってわかっていると思います、激動な時代に生き抜く中国人のパワー、すさまじいものがあります。私は日本にいながら危機感を持っています。まだ日本には製造技術や環境技術、ノウハウがあるといっている方がいますが、実際相手に必要とされない限り、価値がないわけです。中国のいまを知っている人は少ないです。データの古さにはいつも頭を悩まされています。先生は「バックミラーの遠い先をみながら、一体何がわかる」の一言は大変言えていると思います。これからの日中関係は本当に真剣に考えたいと思います。とても参考になりました。ありがとうございました。(2011/01/31)

「ニッポンを俯瞰する基軸~“思考停止”のあなたへ~」のバックナンバー

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「100件以上の読者コメントに答える~「私たちはいつから“バカ”になったのか」」の著者

大上 二三雄

大上 二三雄(おおうえ・ふみお)

エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社 代表取締役/北九州市 参与

1981年東京大学工学部を卒業後、アンダーセンコンサルティング(現:アクセンチュア)入社。企業の戦略、オペレーション、IT、アウトソーシングを中心にしたさまざまな企業改革に従事。事業開発グループ統括パートナーとして事業開発・ベンチャー投資の責任者を務めた後、2003年に退社。現在、エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役。他に北九州市参与、立命館大学MBA客員教授、東京大学EMPアドバイザー、ISL幹事などを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

大上先生のコラムを初めてみました。私は20年以上も日本に住む中国人です。先生の分析には大変興味がありますし、共感しています。中国のことは現地にいる日本人が持ってわかっていると思います、激動な時代に生き抜く中国人のパワー、すさまじいものがあります。私は日本にいながら危機感を持っています。まだ日本には製造技術や環境技術、ノウハウがあるといっている方がいますが、実際相手に必要とされない限り、価値がないわけです。中国のいまを知っている人は少ないです。データの古さにはいつも頭を悩まされています。先生は「バックミラーの遠い先をみながら、一体何がわかる」の一言は大変言えていると思います。これからの日中関係は本当に真剣に考えたいと思います。とても参考になりました。ありがとうございました。(2011/01/31)

中国版新幹線は日本とヨーロッパのいいとこ取りをして云々~という話は、正に中国の言い分そのものです。自主開発なのだからコピーではないーと彼らは言っているのです。中国はまともな対価も払わず契約違反をしてまで海外に新幹線技術を売り出そうとしているのです。この中国のコピー商法は欧州も強く批判しています。それなのに貴コラムではまるでこの中国のやり方を正当化するかのような書き方をされており、その姿勢に疑問を感じます。例えば、Windows7 と Mac OSX のいいとこ取りをして、「最新のOSが出来ました。世界最先端のOSです」など言ってコピーOSを売り出すことと何が違うのでしょうか? 中国人留学生の話も、中曽根時代から始まった中国人留学生受け入れが惰性で続いており、不必要なほどの留学生拡大政策と相まって中国人が流入しているというのが実態です。中国人が日本の海底資源の研究をしているというのは皮肉ですが、あれだけ数が増やされれば最先端の研究室に配属されても何の不思議はありません。影ではその中国人に弾き出された日本人学生の存在を忘れているのではないでしょうか? 留学生に対する国の補助金はかなりの額が投入されていますが、どう考えても国はお金の使い方を間違えています。 また、この記事で著書の大上さんは、あたかも中国人留学生が優秀で、日本人の学生はダメかの様に書いておられますが、日経ビジネスオンラインの別の記事では、同じ東大の先生が日本に来る中国人留学生のレベルの低さを嘆いており、国の留学生誘致政策を批判しています。 貴コラムは、物事の表層の一面だけを取り上げており、日本の政治・政策の不甲斐なさを差し引いても非常に卑屈で偏った内容だと思います。日本の現状に対して警鐘を鳴らす事に異論はありませんが、あまりにもネガティブな視点による偏った主張は得てして読者をミスリードすることとなります。(2011/01/13)

ホリエモンや村上氏の行ったことは微罪なのでしょうか?資本主義経済では当たり前のことなのでしょうか?私の勉強不足は素直に認めますが、大いに疑問です。(2011/01/13)

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