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この際、日本を30のシンガポールに分けたらどうか?

国家が破綻するくらいなら国民が自ら立ち上がるチャンスを!

2011年1月5日(水)

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捨てられてこそのガッツ

 日本の問題は、日本政府ができもしないのに、日本政府が国民にやさしくしようとすることから始まっている。その背後に、政権を失いたくない、選挙に落ちたくないという政治家の存在がある。このままでは、国家が破綻し、政権も議席も失うもしれない。ならば、いっそ、われわれ国民の力を信じて、思い切って突き放して みてはいかがか? 国民の危機感と飢餓感を発揚させるのだ!

 私はここに、日本に30のシンガポールをつくることを提言する。今や国民1人当たりでアジアNo1の豊かさを誇り、今年の上半期も18%近い成長率をたたき出したあの国だ。その秘密はそのサイズにあると思う。私は、人口400万人のシンガポールが、財政錯覚を起こさず、住民が政府と一緒になり、創造力と危機感を共有して繁栄する地域を築いていく適性サイズだと思う。人口1億2000万人の日本なら30のシンガポールができる。

 シンガポールの“創業者”であるリークワンユー顧問相の回顧録「シンガポールストーリー」をぜひ読んでいただきたい。そこには彼がシンガポールを率いることになった瞬間からの悲壮感・危機感が如実に記されている。マレーシアから、実質上、切り捨てられたシンガポールを仕切ることになり、それを泣きながら宣言する当時のリークワンユー氏の会見に、シンガポール国民もともに涙を流したという。捨てられた危機感から全国民が一丸となり奮起して、捨て親“マレーシア”を見返す(現在1人当たりGDPで5倍)ほどの繁栄を実現した。

 最近メディアでもシンガポール礼賛がはやっている。一方、シンガポールからは、上から目線で日本を侮蔑する政府高官の発言が、ウィキリークスで漏れてくる。シンガポールは本音では民主党政権サマサマと思っているに違いない。おかげで企業も富裕層も日本から流れてくる。いつまでも彼らをおいしい目に合わせておく必要はない。こちらが彼らの得意技を全部押さえにかかるのだ。

 どっちみちポピュリズムに走る政治で破綻するなら、背水の陣で国民自らがリーダーとイノベーションを生み出すのだ。また敗戦や黒船のような外圧に頼らないと運命を変えられないままだとしたら情けないではないか。

財政錯覚から目を覚ませ!

 「日本に30のシンガポールをつくる」ことは、完全な1国2制度だ。その代わり地方交付税のような財政調整機能は廃止。一つひとつの「シンガポール」である自治体が税制から法制度まで自在に決められる。自ら徴税し、住民とともに使途を検討し、決めて実行する。自らやりくりするのだ。

 国は、各自治体が拠出する基金でひっそりと運営する。外交防衛、マクロの経済・金融にその役割を限定する。

 これは地方分権とか道州制ではなく霞ヶ関解体である。 日本の最大の問題は公的債務の大きさと成長力の低下である。これは親方日の丸意識から来る財政錯覚とイノベーション不在にある。 まず、財政錯覚の打破。このためには財政をできるだけ住民の近くに持ってきて、責任と参画意識を共有することだ。財政が今のように遠くに離れると、地方の住民は国の金庫には「金のなる木」があると思ってしまう。この木に成る金を引っ張ってくるのが良い政治家ということになる。そんな政治を積み重ねた結果がGDPの2倍に上る累積債務だ。「自分たちの払った金でやりくりする」という当たり前の感覚を当たり前にしていくのだ。

本気の1国2制度

 次に、「シンガポール」間の自由競争を導入し、政治制度のイノベーションを起こす。実際に現場を運営していない霞ヶ関に社会を元気にする制度を生み出すよう求めるのは酷だ。

コメント9

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「この際、日本を30のシンガポールに分けたらどうか?」の著者

田村 耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

前参議院議員

早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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