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衆院解散・大連立の風が吹く

2011年1月17日(月)

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消費税増税に道筋をつけ、TPP(環太平洋経済連携協定)参加を決断する。政治が取り組むべき課題は明確なのに、与野党攻防の出口は見えない。行き着く先は政界再編。浮かんでは消えるシナリオが現実味を帯びてきた。

 関東選出の民主党のある若手衆院議員は、寒風吹きすさぶ中、地元回りに余念がない。新年の挨拶もそこそこに言い添えるのが「いつ、解散があってもおかしくありません」。選挙ポスター用の写真撮影も既に済ませるなど、選挙戦への準備を急いでいるという。

 「民主党に逆風の今、解散されると間違いなく負ける。先行きが読めないのが本当に困る」。地盤が不安定なほかの民主党議員も顔を曇らす。

 民主党内が浮足立っているのは、今月末に召集される通常国会の運営にメドが立たず、菅直人内閣が総辞職に追い込まれたり、衆院解散・総選挙に踏み切る可能性があるためだ。

「小沢切り」に活路も…

 2011年度予算の早期成立が至上命題の菅首相は内閣改造・民主党役員人事に加え、小沢一郎・民主党元代表の「政治とカネ」問題を巡り国会招致問題への積極的対応や、小沢氏の議員辞職に言及するなど「小沢切り」を鮮明にする。菅首相に近い議員は「野党との協議に向けた環境整備と、内閣支持率低下に歯止めをかける狙い」と話す。

 この結果、「仙谷由人・官房長官らの交代が審議に応じる最低条件」としていた自民、公明両党は国会審議に応じる見通しだ。「入り口」で立ち往生する危機はクリアできそうだが、「出口」に向けては視界不良が続く。

 予算案は衆院を通過すれば30日後に自然成立するが、税制関連法案などの予算関連法案は参院で過半数を得るか、衆院の3分の2以上の勢力で再可決するしか成立の手立てがない。予算関連法案が今年3月末までに成立しなければ、予算執行に支障が出る可能性がある。国民生活への影響は甚大だ。

 この「3分の2」の数を確保するのが難しい。仮に、社民党の協力があったとしても、1人の造反があっただけで泡と消える。そこで「1党の協力だけで参院過半数に達する公明党との連携が菅首相の本命」との見方が広がる。菅首相が小沢氏への厳しい姿勢を強調するのも「政治とカネ」問題に関心が高い公明党への配慮がにじむ。

 しかし、4月の統一地方選を控え、内閣支持率が低迷する菅政権への対決姿勢を示した方が得策との判断に傾く公明党の協力が得られるのかは不透明だ。予算案、予算関連法案が成立しても、4月の統一地方選で惨敗すれば、民主党内の小沢氏支持議員から首相退陣を求める声が高まる可能性がある。

 内閣支持率が低いまま6月の会期末を迎えれば「衆院で内閣不信任決議案を提出し、倒閣に動く」(自民党幹部)。民主党内から造反が出て、不信任決議案が可決されれば、菅首相の選択肢は内閣総辞職か、衆院解散・総選挙のどちらかしかなくなる。

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「衆院解散・大連立の風が吹く」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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