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食料・衣料、高騰の足音

  • 小平 和良,池田 信太朗,瀬戸 久美子

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2011年1月24日(月)

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食品や衣料品の原料となる農産物の価格が高騰している。新興国での需要増に加え、天候不順や余剰マネーの流入が価格上昇の要因に。世界でのインフレと国内で続くデフレ傾向。日本はこの板挟みに耐えられるのか。

 衣料品の工場が立ち並ぶ中国・南京市郊外。欧米系の大手ファストファッションの商品を手がける縫製工場の中国人経営者は苦しい胸の内を語る。

 「ただでさえ人件費高騰などに頭を悩ませているのに、この原料価格高騰は大きな打撃だ。中小の工場の中には厳しい状態に追い込まれるところも出てくるのではないか」

 中国の工場経営者たちの頭を悩ませているのが原料となる綿花の価格高騰だ。2010年初頭には1ポンド(約453g)75セント近辺だったニューヨーク綿花の先物価格は昨年7月から値上がりを続け、昨年12月には過去最高となる1ドル60セント近くまで上昇。2011年に入っても1ドル45セント程度と高水準が続く。

 原料の確保そのものも難しくなっている。ファーストリテイリングのように「原料は長期契約で確保している」(広報担当者)という企業はある。その一方で、南京の縫製工場経営者は「中規模以下のアパレル企業では、原料の調達に奔走するところも出てきているようだ」と打ち明ける。

 安定的に原料を供給する世界規模の大手企業と取引していても不安は残る。「我々から大手アパレルへの販売価格は長期契約に含まれているが、原料の調達価格はその都度、契約することも多い。コスト競争が激しいファストファッションのような業界を相手にする場合は結局、我々のような下請けが涙をのむしかない」。

食料価格指数は過去最高

 食品や衣料品の原料となる農産物の価格が高騰している。ロシアの旱魃の影響で昨年7月から価格が上昇した小麦をはじめ、トウモロコシや大豆といった主要農作物の価格は昨年夏以降、軒並み上昇した。昨年前半にはシカゴ商品市場で1ブッシェル(約35リットル)当たり3ドル50セント近辺で取引されていたトウモロコシは2011年に入り、倍近い6ドル50セントまで値上がりした。小麦や大豆も直近1年間の最安値から、約1.5~2倍に上昇。食料バブルと言われたリーマンショック直前の2008年夏の価格に近づいている。

 食料価格の高騰はこれまでもあった。深刻なのは綿花の例でも分かる通り、過去よりも幅広い商品が値上がりしていることだ。国連食糧農業機関(FAO)が今月5日に発表した2010年12月の食料価格指数は214.7(2002~04年=100)と、食料高が問題になった2008年6月の数値を上回り、 1990年1月以降で最高となった。穀物は2008年6月の数値を下回っているものの、砂糖の指数が172.1から398.4に大きく上昇したほか、食肉も当時を上回っていることが影響している。

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 背景には中国をはじめとする新興国での需要急増がある。レスター・ブラウン氏の著書『だれが中国を養うのか?』が話題になった1995年頃から、世界規模の農産物争奪戦はたびたび関心を集めてきてはいたが、どこか現実味に欠ける面があった。

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