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次の危機、震源は“不平等”

  • ロンドン支局 大竹 剛=ダボス発

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2011年2月8日(火)

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世界中から約2500人の経営者や政治家などが集まったダボス会議。景気後退を乗り切った楽観ムードが漂う中、新たな危機が忍び寄る。その震源は、世界中で急速に広がる持つ者と持たざる者の“不平等”だ。

 1月26日から5日間にわたって開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)は、大雪に見舞われた昨年から一転し快晴に恵まれた。まるで、スイスのスキーリゾートに集まった経営者や政治家などエリートたちの楽観ムードを反映するかのように。

 リーマンショック直後の2009年の会議は、世界経済が崩壊の淵にあるという危機感が会場を覆い、昨年はギリシャ問題と金融規制に揺れた。だが今年は、「過去2回の会議のような切迫感はなかった」(野村ホールディングスの氏家純一会長)。

 確かに、世界経済は予想以上に回復している。国際通貨基金(IMF)によれば、昨年の世界の経済成長率は5%に達し、新興諸国に限れば7.1%を記録した。金融危機の震源地である米国も、昨年10~12月のGDP(国内総生産)は年率換算で3.2%も拡大した。

リーダーなき「Gゼロ」の世界

 だが、景気を下振れさせるリスクは今もくすぶっている。ソブリン危機に揺れるギリシャなどユーロ加盟国の財政危機は、決して対岸の火事ではない。1月27日、財政再建の見通しが不透明として日本国債が格下げされた。ダボス入りした菅直人首相の危機感は薄く、講演では財政問題に一切言及せず、一部の海外メディアには「全く退屈だ」(米メディア記者)と失笑を買った。

 米国も危うい。景気対策として大規模な財政出動や量的緩和を実施してきたことが、新たな火種を生み出す構図だ。金融危機の背景を分析しベストセラーとなった『フォールト・ラインズ』の著者、シカゴ大学のラグラム・ラジャン教授は、「むしろ、危機前の状況に戻りつつある」と言い切る。

 米景気回復は、国内消費の拡大によるところが大きい。それは中国など新興国の対米輸出を増やし、米中の貿易不均衡は再び拡大する傾向にある。中国人民銀行副総裁だったIMFの朱民特別顧問は、「(金融危機後、)新興諸国は外需依存型から内需主導の成長モデルへと移行してきたが、その構造改革を維持できるか、極めて大きなリスクになっている」と話す。

 そうした不均衡を解消する国際協調も遅々として進まない。リーマンショック後、中国など新興国も含む主要20カ国・地域が危機打開策を討議する「G20」という枠組みが作られ、温暖化対策を巡る議論の迷走を契機に米中という「G2」によるリーダーシップを期待する声が高まった。だが、ダボス会議直前の1月19日に開かれた米中首脳会談では、大方の予想通り貿易不均衡や通貨問題など両国の利害対立を解消する糸口を見いだせなかった。そんな現状を米ニューヨーク大学のノリエル・ルービニ教授は「Gゼロの状況になっている」と皮肉った。

中国が抱く不平等意識

 国際協調が進まないのは、持てる者と持たざる者の“不平等”が、ここにきて急速に顕在化しているからだ。その不平等とは、1つは先進国と新興国という国家間の開発格差、そしてもう1つが、所得や雇用、教育など国内の格差である。

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