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映画はなぜ地域を活性化するのか

デジタル技術とソーシャルメディアが制作を後押し

  • 増淵 敏之

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2011年2月22日(火)

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 先日、東京・江東区の亀戸香取・勝運商店街の映画を撮った。この商店街は、平将門を討ったことで知られる俵藤太秀郷が、先勝祈願に詣でた香取神社の境内に発生したという由緒を持つ。ところが最近は人通りも少なく往時の賑わいはなくなって久しい。撮影したのは、映画といっても映画館で上映する類のものではなく、商店街のプロモーションに活用するための20分程度のショートフィルムである。

 いわゆる一連の地域振興策のひとつで、同商店街では昭和30年代の雰囲気を漂わせたレトロ商店街として再出発するに当たり、映画制作を企画した。映画全体の取りまとめを筆者が担っているわけだが、出演者は全員、商店街界隈の人々である。

亀戸香取・勝運商店街での映画撮影風景(写真:増淵敏之)

 制作もプロに頼むのではなく、バンタンデザイン研究所の学生スタッフで取り組むことになった。紛れもなく「素人映画」であるが、出演者、参加者の当事者意識を涵養するひとつの方策であったと考える。

地域映画が面白くなってきた

 学部時代は自主映画に手を染め、その後テレビ制作、プロモーションビデオ制作を経験してきた身としては懐かしい作業というか、すっかり技術的なイノベーションに置き去りにされた「おっさん」になった自分を再確認する作業というか、とにかく複雑な心境での試みであった。

 ましてや地域を意識しての映像制作なぞ、これまでに経験したこともなく、なかなか新鮮ではあった。しかし撮り終えてみると今までかかわりのなかったこの商店街に格別の愛情を持っている自分に出会ったこともまた不思議ですらある。

 当然、撮影当初は出演者、スタッフともに個々の温度差はあった。ロケ場所を探すことに手間取ったり、出演予定の子供たちを同じ時間に集めたりすることにも難儀した。

 しかし一緒に映画を作っているという「場」の共有が行われたせいなのか、商店街の人々も真剣に本読みを行い、寒くなってきたにもかかわらず、季節の設定が夏ということなので、半袖になって熱演してくれた。

 撮影はほぼ無事にスケジュール通りに終了した。現在は完成後の上映会の場所を探しているといったところだ。やはり協働で何かを作っていくことはひとつのコミュニティを創出していくということなのだろう。この映画は過ぎて行く時間の中でも、「変わらないもの」をテーマにしている。そのことを、映画の撮影を通して商店街のひとびとも多少なりとも感じとってくれたような気がする。

 企画の詳細を詰めて行く上で、念頭にあったのは2003年に北海道穂別町(現むかわ町)が開町90周年を記念して制作した「田んぼdeミュージカル」であった。崔洋一監督が監修したこの映画は各地の映画祭で大きな話題を呼び、その顛末はNHKでもドキュメント番組として紹介された。

 地域の高齢者が出演、制作したこの映画は少子高齢化に直面する地域のコミュニティ再生、活性化に大きな寄与を果たしたといわれている。地域映画といっても幅広く、広義の意味ではその地域を舞台にした映画までも含める考え方もあるが、本稿では地域の「手づくり」映画に限定して論を進めていきたい。

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