• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

林原という「根拠なき熱狂」

  • 宇賀神 宰司,大西 孝弘,小瀧 麻理子

バックナンバー

2011年2月15日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

「バイオ企業の雄」「岡山の大地主」として全国に名を馳せた林原。架空の決算書で銀行を信用させ、約1300億円もの借入残高を抱えるまでに。バブル経済崩壊後の不良債権処理の教訓は生かされなかった。

 「だまされた」「何でADR(裁判以外の紛争解決)を断念するのか」

 2月2日、東京都内。バイオ企業の林原グループ(岡山市)が、事業再生ADRによる再建を目指して金融機関向けの債権者集会を午後2時から開催した。ADRは、債務の減免などを調整する私的整理の1つ。法的な手続きを踏まない分、再建を早く進められる。

 参加者によると、午後3時頃に突然、林原側が会社更生法の申請に切り替えたことを伝えると会場は騒然となる。同社の債権を保有する28行のうち、知らされていたのは一部のみ。債権者集会の開催中、一方的に金融機関にファクスを流したのだ。同法を適用すると、債権放棄などによる損失が拡大する可能性もあり、債権額の小さい銀行がメーンバンクに「切り捨てるのか」と悲痛に叫ぶ場面すらあった。

 会場の外には、多くの報道関係者が詰めかけた。非上場の林原に関心が集まるのは、様々な“伝説”があるからだ。

 林原健氏(69歳)は弱冠19歳で4代目社長に就任。独自の開発手法で食品の甘味料に欠かせない「トレハロース」や抗ガン剤「インターフェロン」の量産化に成功した。取引先は数千社に上り、「バイオ企業の雄」との名声を世界的に高めた。健氏は自らの尿を飲む健康法を実践しているとも言われる。

 対する大手金融機関の対応はまさに“熱狂”と形容するにふさわしい。

 内部資料によると、2009年10月期の林原単体の売上高は281億円、当期利益はわずか1億円。その企業に対して、銀行の債権総額は約1300億円。非上場の中堅企業が28もの金融機関と取引するのは異例だ。

 だが、同社の経営は火の車そのものだった。30年にわたり279億円ほどの架空売り上げを計上。約500億円の債務超過に陥り、原材料を調達できないほど資金繰りに窮していた。

 ADRの申請には全債権者の同意が必要だが、金融機関の足並みは揃わず。同日付で社長を辞任した健氏は、債権者集会で「すべての責任が私にある」と深々と頭を下げた。

コメント6

「時事深層」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

もう中山素平のような人物が銀行の頭取という形で現れることはないだろう。

佐藤 康博 みずほフィナンシャルグループ社長