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日本の社会起業家を支援する!(1)

アショカが日本に上陸する理由

  • りっふ 雅映子

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2011年2月21日(月)

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 世界的な社会起業家支援団体であるアショカが、日本支部「アショカ・ジャパン」を設立。さらに、みずほ銀行と「STRATEGIC SUPPORT AGREEMENT」を結んだ。アショカの日本への進出、民間のメガバンクと公益性を重視する組織の協業は何を意味するのだろうか? 社会起業家の父とも呼ばれるアショカの創設者、ビル・ドレイトン氏に聞いた。

 加えて、民間企業が、本来の事業の一貫として、社会起業家に着目している理由を尋ねた。

注:アショカは、社会の歪みに強い問題意識を持ち、その問題解決のために事業を起こし、社会変革を目指す人を「社会起業家」と呼ぶ。世界的に有名な社会起業家は、2006年にノーベル平和賞を受賞した、バングラデッシュのグラミン銀行創業者のムハマド・ユヌス氏だ。(関連記事

(聞き手:りっふ雅映子、写真:陶山勉)

ビル・ドレイトン(Bill・Drayton)
1943年生まれ。アショカ創設者兼CEO(最高経営責任者)。65年、米ハーバード大学卒業、67年、英オックスフォード大学修士課程修了。70年、米エール大学ロースクール修了。その後、約10年間米マッキンゼー・アンド・カンパニーで経営コンサルタントとして働く。1977年から1981年まで、米カーター政権下で環境保護局の長官補佐官を務め、CO2の排出権取引を考案した。80年、アショカを設立。世界各地の社会起業家の活動をグローバルに展開・発展させることを目指し、世界中の社会起業家の交流に努めている。

――みずほ銀行が、アショカとSTRATEGIC SUPPORT AGREEMENTを結んだというニュースには驚きました。

ドレイトン みずほ銀行は貸付先になりうる社会起業家を探していきたいという意志があります。みずほ銀行の方々は先見性がありますよ。日本でみずほ銀行は、社会起業家の可能性に対して真剣に目を向けた最初の銀行です。

 みずほ銀行はビジネスと従来の公共サービスに近い事業を融合させようという新しい世界観へ足を踏み入れる決断をしました。

――日本では社会起業家というと、慈善事業といった印象が強く、成長性が見込めるビジネスの1つとして、まだ見られていないと思います。

ドレイトン そうですか。でも、社会起業家が携わっている分野は成長分野なのですよ。

 例えば、ドイツの事例を紹介しましょう。社会での役割をビジネスセクター、政府セクター、社会問題の解決に目を向けたNPO法人などの市民セクターと分けた場合、2000年の雇用が1960年比べて一番大きく増加したのは市民セクターです。ビジネスセクターの雇用は停滞し、政府セクターは2倍に拡大しました。市民セクターは3.5倍以上増加しています。

 民間が主体となり、教育や医療、介護など、社会が必要とする分野の改革を進め、それが新たな雇用創出につながっています。

――小さな政府への流れが市民セクターの成長を後押ししているという背景もあるのでしょう。何か個別の事例はありますか? 社会問題の解決につながることに目を向けていながら、事業自体が成長していったような事例があればぜひ。

市民セクターと組んで1億人の顧客を生んだセメント会社

ドレイトン メキシコの大手セメントメーカー、セメックス社と市民セクターが手を組んだ事例を紹介しましょう。

 メキシコには1日の収入がわずか2ドルにも満たない極貧困層が全人口の4割、1億人もいます。彼らが家を建てるのには、なんと4年の歳月がかかるのだそうです。それはわずかな給料で少しずつセメントを買い、自分たちで家を建てるからです。

 アショカはセメックス社に話を持ちかけました。少しでも容易にスラム街の住民がセメントを手に入れることができるよう、セメントを一般の値の3割引で販売するようかけ合ったのです。これはセメックス社にとっても、人口の4割を占める未開拓市場に手をつけられるのですから、前向きに検討すべき内容でした。

 ただ、セメックス社は、どのようにスラム街で営業をしたらいいのか分からなかった。そこでアショカは常日ごろからスラム街で性教育やエイズ予防を指導している人たちとセメックス社を組ませました。市民セクターは極貧困層を熟知し、何よりも彼らからの信頼を得ています。市民セクターの人たちが、スラム街を一軒一軒歩いて営業をすることで、セメックス社は新たに、メキシコ内で1億人の市場をつくり出したのです。

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