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ハーバード大の同窓会に出て分かった、教室の外にある強みとは?

同窓会ネットワークと寄付金が大学を支える

  • 河合 江理子

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2011年2月22日(火)

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 前回の記事に対して、に登場する米国のリベラルアーツカレッジのスワスモアカレッジの卒業生から5名のノーベル賞受賞者が出ているというものがあった。この、事実には私も驚かされた。1学年500人程度の小規模な大学なのに、優秀な卒業生が多数輩出している。入学する生徒の質はもとより「考えることを教える」という教育理念も優れているのだろう。

 ところでリベラルアーツカレッジはこのように質の高い教育を施し、ノーベル賞受賞者を輩出しているが、やはり外国での知名度に欠けていることは否めない。大学の規模が小さいことが最大のハンディキャップなのかもしれない。とはいえ、米ハーバード大学でも学部は、1学年が1600人程度の人数である。人数という面からみれば、もっと規模の大きい州立大学は多い。

 そこで、今回はハーバード大がどうやって知名度を保ち、世界の大学ランキングの上位に常時入っているのだろうか。学生の質や教育の内容などの点での議論はさておき、教室の外にあるこの大学の強みを考えていきたい。

25周年同窓会で再認識した卒業生ネットワーク

 私が出席したハーバード大学卒業25周年記念の同窓会は、水曜日から日曜日までの5日間の大イベントであった。日本の感覚では、同窓会に5日間も費やすなんてそんな暇はないと思われるだろう。夫婦参加で、子供たちを連れてくる人も多いので、子供のためのプログラムもある。

 驚いたことに、卒業生の半数以上は参加していた。現在失業中とかの理由でお金がない人でも参加できるように、同窓会参加費とか旅費まで分割で払う制度もできている。アメリカの寛大な精神を再現しているようなシステムである。

 学生時代に住んだ大学の敷地内にある寮に寝泊り、授業を受けた教室で有名教授の講義を聞き、学食で食事をする。すると自然に25年前の自分に戻ってしまうから不思議だ。学生寮だから、ホテルの快適さはなく、バスルームなどは共有だ。25年前に比べてもちろん設備は少しよくなっていたものの、所詮寮である。

 贅沢になれた人には耐えられない。近くの高級ホテルに泊まる人もいる。ただそれはほんの一部の人であって、いつも5つ星のホテルに宿泊している人たちも、狭いドミトリーの部屋で若い頃を思い出して夜遅くまで会話が途絶えなかった。笑い話のような話だが、過去には二段ベットの上の段に登れずにホテルに泣く泣く泊まった卒業生もいたそうだ。

 私にとっては初対面の人も多かったものの、米国らしい気楽さと、同じ経験をした人たちの安心感ですぐ打ち解けてしまい、あっという間に時間が過ぎ去った。食事も学生に人気があった店のハンバーグなどが出された。清教徒派の牧師ジョン・ハーバードの寄付によって始まったハーバードの質実剛健を重んじる校風はかわっていなかった。

 この同窓会に出席して驚いたことは、まず、卒業生からの寄付金の多さだ。ハーバードは私立なので授業料と卒業生や企業の寄付が主な財源である。卒業生の寄付金のおかげでさまざまな研究が可能になり、それによって世界ランキングNo1の大学の座を守っているのかもしれない。

 大学基金の額は全世界ナンバーワンだ。金融危機の影響を受け、目減りしたとはいえ276億ドル(約2兆円)である。これがハーバードの年間500億円に上る潤沢な研究費、90あまりの図書館などの大学設備、2300人ほどの教員の給料、年金、学生の奨学金(年間240億円)に回される。大学の年間支出額は3000億円に上るものの、政府からの補助金は15%でしかない。

 大学基金の運用にも力を入れている。年間の総支出額の37%は運用益でまかなわれている。2010年6月の数字では、金融危機の影響で過去10年の平均利回りは7%であったが、過去20年で見ると平均で年12%の運用利回りがあった。ハーバードでは片手間に資産運用をしているのではなく、運用専門家を集めたハーバードコーポレーションという会社を設けており、エール大学と運用成績を競っている。この運用部門の前の責任者は今世界有数の債券運用会社(PIMCO)のトップになったほどだ。

 2008年の金融危機により、株式やヘッジファンドなどに投資する大学基金も損失を被り、大学は支出を減らさなければならなくなった。一時は運用手法に対する批判の声もあがったが、長期にわたる巨額な運用利益を残した実績により、基本的な運用方針には変化はない。

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