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女性の悩みに答えられると思うな

「仕事も結婚も両方がんばれば?」…この絶望的な深い溝

2011年2月25日(金)

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 恋人に「仕事がつらい」と相談すると、「やめたら?仕事」と言われました。そういう問題ではないと思うのだけれど、うまく表現できません。仕事も恋人も本当にこれでいいのか不安です。(30代女性)

 遙から

 30代前後の集まるパーティに参加すると、今時の男女の思考と出会えて面白い。ある女性が私に近づき、最初ははしゃぐだけだったが、少し経つと真面目な表情で私に話しかけた。

 「私、実はもう29歳なんです。30歳になろうかというのにいまだ仕事をどうするのか、結婚はできるのか、回りを見たら同世代はちゃっちゃと子供を産んでいるのに、自分はというとその覚悟もないし、なにひとつ決断できないままこの年になってしまって。これから先を思うと、不安で不安でたまらないんです。私はいったい今、何を頑張ればいいんでしょう」

 私にはその女性の気持ちが痛いほど理解できた。この仕事に人生を賭ける、と言い切れるほどの仕事でもない。この男と連れ添う、と思おうにも相手の気持ちがイマイチ掴みきれない。宙ぶらりんの自分に子供を想像してみたところで現実味もない。こんな中途半端な気持ちでこれからも年だけとって、その先にどんな明るい人生が期待できるのか、という不安。自分だけが落ちこぼれていくのでは、という不安。

 この、少なくない女性たちが共感できるであろう不安を、よりいっそう、女だけの不安として孤立させる男の言葉があった。

 その女性の話を聞いていた同席する30代男性が助言した。

 「仕事も結婚も、両方がんばれば?」と微笑みながら。

 男女間の埋めようもない深い溝は、この言葉にあらわれていると言っても過言ではない。

 遠い昔に味わった絶望を、私はこの男性の言葉でノスタルジックに思い出したのだった。

 頑張れば理想の仕事も結婚も手に入ると思う男性の、この単純さ、能天気さ、ご気楽さ、他人事さ。

 一方、頑張った結果、手ごたえもないまま時だけが過ぎていく現実にあえぐ女性の、空虚さ、無力さ、焦り、不安。

 この温度差は埋めようもなく、会話すら成立しない文化の差となって同じテーブルを分断した。女性は男性の助言を、まるでなかったかのように“無視”し、私に話を続けた。

 「今お付き合いしている男性とも、結婚に至るかどうかわからないんです。結婚に向けて頑張るべきなんですか?」

 パーティの喧噪の中、女性はこの機会を逃してなるものかとばかり私に問うた。その表情は真剣だった。私は現実的な助言をすることにした。

 「まず」

 女性は身を乗り出した。

「遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」」のバックナンバー

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「女性の悩みに答えられると思うな」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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