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飲料再編、自販機が焦点

  • 佐藤 央明(日経ビジネス記者)

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2011年3月7日(月)

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自動販売機を巡って、飲料メーカーの間で合従連衡の機運が再燃している。背景にあるのはコンビニなど小売りチャネルからの激しい値下げ圧力。安定収益が見込める「最後のドル箱」を守るため、各社の奔走は続く。

 2月15日、東京都内で行われた日本コカ・コーラの事業戦略発表会で、ある大型製品が華々しくお披露目された。

 「次世代のスタンダード」と位置づけるその製品とは、炭酸飲料でも缶コーヒーでもない、単なる「自動販売機」の新製品。しかし、その新自販機「3D VIS」に賭ける同社の鼻息は荒い。

 同機はBMWのグループ会社との共同開発で、立体的で象徴的なデザインを採用した。「導入により、プラス10%の売り上げ増を期待している」と日本コカ・コーラのダニエル・H・セイヤー社長は意気込む。同社は全国に約98万台ある自販機を、2020年までにすべて3D VISに切り替える方針。自販機の統一は、1962年に初めて日本で設置されて以降初めての試みだという。

 なぜ日本コカ・コーラはここまで自販機に注力するのか。同社の場合、売り上げのうち自販機の占める割合は30%程度だが、利益率で見ると40~50%にまで高まる。定価販売がしやすく、安定的な収益が確保できる自販機チャネルを、最後のドル箱と位置づける企業は多い。飲料各社は、自販機での売り上げを守り抜こうと必死だ。

 その背景には、スーパーやコンビニエンスストアなどの小売りのチャネルで苦しみ、自販機以外に活路を見いだせない各メーカーの姿がある。

小売りの下げ圧力に疲弊

 「もう少し安くできないか」
 大手コンビニとの新製品の商談で、あるNB(ナショナルブランド)メーカーの営業マンは、バイヤーにこう持ちかけられた。よくある価格交渉の風景だが、この場合営業マンに選択肢は1つしかない。値引きを拒否することは、すなわちその商品が棚に並ばない可能性が高まることを意味する。「小売りからの下げ圧力はひどすぎる」とメーカー幹部はいら立ちを隠さない。

 スーパーの専売特許だった値引き販売が、今やコンビニでも当たり前になっている。これは2007年以降に台頭したPB(プライベートブランド)の影響によるところが大きい。NBより大幅に安いPB商品が、スーパーのみならずコンビニの棚をもじわじわ席巻し、デフレの象徴として売り場で君臨し続ける。それに引きずられる形で、NB商品の「コンビニは定価販売」という従来の図式は完全に瓦解。「メーカーの取り分は、以前より1~2割程度減っている」(業界関係者)と、NBメーカーは値引きのしわ寄せをもろに受ける格好になっている。

 清涼飲料総市場は昨年こそ猛暑で一昨年を上回ったものの、今年は97~99%と前年割れが予想されている。マーケットの大幅な上積みが期待できない中、メーカー主導で価格を決定できる自販機チャネルが再注目されるのは、当然の帰結と言える。

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