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国産「人工心臓」が示す可能性

2011年3月11日(金)

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テルモが世界初の技術を使った人工心臓を日本で発売する。小型、省エネ、高い耐久性と日本の得意分野を生かしたものだ。医療分野での日本の製造業の可能性を示したケースと言える。

 医療技術と言えば、心臓ペースメーカーなど米国発の技術が多いが、日本も世界で活躍する日が近いかもしれない。テルモはこの4月、人工心臓「デュラハート」を日本で発売する。

 既に2007年から欧州で販売していたもので、昨年12月、厚生労働省が欧州での実績を踏まえ、製造販売の承認を申請から2年半という異例の速さで与えた。この2月には公的医療保険の適用も決まった。東京大学附属病院の許俊鋭特任教授は、「世界で初めて磁気浮上型遠心ポンプを実用化した人工心臓で、日本が世界に誇れる技術だ」とデュラハートを評価する。

デュラハートの構造
デュラハートの構造

 磁気浮上型遠心ポンプは、血液を送り出すポンプ内部の羽根車を磁石で挟み、浮かせたまま回転させて血液を送り出す。羽根車を支える軸受けが不要で、部品同士が接触する部分がなく、かねて課題だった血栓ができにくい。

 人工心臓は心臓提供者が現れるまでのつなぎとして患者に埋め込む。日本で普及している既存製品は体外装置が大きく、入院を余儀なくされているが、デュラハートは電池とコントローラーが入った約2kgのバッグを肩から提げれば自由に動けるため、退院が可能になる。移植まで長期間待たされる患者にとって、QOL(生活の質)が向上するだけでなく、医療提供側にとっても病床の回転率が高まるなど利点が大きい。

 開発までの道のりは長かった。「1990年代中頃、磁気浮上ポンプの試作品を作ろうにも日本でメーカーの協力を得るのは至難の業だった」。上席執行役員の野尻知里氏はこう振り返る。日本の製造業は当時、生命にかかわる開発には製品化された後の訴訟を恐れて、手を出したがらなかったという。

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「国産「人工心臓」が示す可能性」の著者

石黒 千賀子

石黒 千賀子(いしぐろ・ちかこ)

日経ビジネス編集委員

日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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